前回までの記事 その① その② その③ その④ その⑤ その⑥

売れ残っていた物件がなぜ完売したのでしょうか?
理由は二つ。
私が、ゴリゴリの営業マンだったことと、ママたちの会話にヒントがあったということ。

私は独身時代、車の営業をしていました。

それも、普通の新車販売営業ではなく、業販と言われる、〇〇モータースのような修理工場の代理店開拓営業でした。
当時私の勤めていたメーカーは、故障が多かったりマニアックな仕様だったりとモーター屋さんからはとっても嫌われていました。
おたくの車は絶対に扱いたくない!!という業者さんを、毎日のように訪問しなくてはいけない短大卒の女の子にとっては、結構辛いお仕事でした。
しかも、担当地域は東京都中央区。
都会のど真ん中にそれほど業者があるわけでもなく、私が担当したのは、過去に1度取引があったという自転車屋さんまで含めて10軒。狭い中央区で1日あればまわれてしまう数。
どんどん成績が上がっていく同期をしり目に、なかなか成果が上がらない日々を過ごしました。

途中辞めてしまおうか・・・とも思ったことがありましたが、なんか悔しすぎる。
かなりの負けず嫌いだったんだろうなと今になったら思えます(笑)
男性社会の車の営業の中で、それはいろんな暇のつぶし方をしました。
最初は銀座のど真ん中だったので、デパートめぐりを楽しんでいましたが、それもあっという間に飽きてしまい、図書館で昼寝、社用車で昼寝、山手線で昼寝、たまにデート。
上司と一緒に映画に行ったこともありますし、パチンコの開店に並んだこともあります。
本当に男の人と一緒の営業マンライフを過ごしていました。

そんな毎日でしたが、なんとか担当している業者さんからの商談が産まれるようにと、本当にいろんなことにもチャレンジしました。
少しは目を合わせてくれる業者さんに押しかけては、「何か手伝いますよ!なんでも言ってください!!」と雑用をさせてもらったりもしました。
車庫証明をとりにいったり、洗車をお手伝いしたり、車の下にもぐった社長さんに「油がつくから!!」と怒られながらも、一緒になってもぐったり。
そうこうしているうちに、熱心さを買われるようになり、「みかん食うか?」と声をかけてもらえるようになった時には、本当に涙が出そうでした。
心を開いてくれるまでは、かなりの時間がかかりましたが、なんとかお客様をもうけさせたい!
楽に儲かる仕事であれば、絶対にうちの車をお客様に紹介してくださるに違いない。
そう思って、上司に甘えて、いろんな施策を特別につけてもらいました。
入社して間もなくの女子営業マンが、なめられないように、駆け引きなしの一発勝負ができるようにとかなりの利幅を持たせてもらいました。
潔い仕事ぶりを買ってもらえ、いろんな商談が来るようになり、気がつけば販売表彰を受けるまでになっていました。

お客様が楽して儲かることを考えるのが、BtoB営業の醍醐味だと思います。

いきさつが長くなってしまいましたが、私が泥臭い営業をしていた経験が、住宅販売にも役に立つことになったのかもしれません。

その⑦につづく…