もてない野郎たち連合(2) | 千切れ雲

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翌日の講義開始前、我々はさっそくの鳩首会議を執り行った。






まず、別れちゃったら仕方がないが、別れさせるのが目的ではないので、別れの原因となるようなことは×。


Sちゃんには罪はない(E原にヤラれちゃったんだし)ので、ダメージを与えるのは極力E原のみとする。


全般的に笑えるものとする。


これらをコンセプトとして作戦を練るのだが、あくまでもE原の思い上がりを叩くのだから、ここはドッキリカメラ的なコトをしてやることとなった。






んで、E原はどーでもイイのだが、Sちゃんはクリスマスを楽しみにしているだろうから、その前の作戦とした。






まずは調査。





Sちゃんは目黒区にある実家住まいだが、E原は世田谷にある、学校が民間のアパートを借り上げて学生寮扱いにしている所に住んでいる。



外でデートしても、E原はそんなに裕福ではない(だから寮に入れた)ので、恐らくは野郎の部屋で、とかになるだろう。


目黒区と世田谷区の寮なら遠くはないから、日曜日なんかは彼女が部屋に来るハズである。




そこで煮えたぎるハラワタを抑え、努めて冷静に聞く。




「Sちゃん、手料理とか作ってくれんの?」


「おお、そうなんだよ。

土曜の夜とか日曜日の朝とかにさぁ~…」



と、何のために聞かれているかも知らず、やれシチューが美味かったの、アイツの作った肉じゃがは最高だの、こっちが聞いてもいないことを嬉しそうに話す。



血圧が急上昇していくのを感じながら、これに耐えて聞いていく。







それによると、彼女は土曜の夜か日曜日に必ず来て掃除や洗濯、料理なんかをしていくとのこと。




しかし平日にE原の部屋を訪ねると、彼女のものらしき女の子を感じさせるものは特に見当たらない。


こうなると彼女が日曜日の朝、E原の部屋に来るタイミングを狙うのがイイようだ。









そして、そのタイミングはすぐにやってきた。











その週は、彼女にバイトが入っているので土曜の夜はダメなようで



「今週は日曜日の朝に行くね」





と彼女が言っているのをキャッチした。



まだ火曜日だから仕込むには十分で、まずはE原の部屋の鍵を手に入れる手筈を取る。



とは言え、本物の鍵は入手不能なので、カバンにキーホルダーと共にくくり付けられていた鍵の型を取った。













型の取り方はナイショ(笑)













んで2部(夜間部)の学生はサラリーマンだったり商店主の子息だったり、家の経済的な事情だったりと、昼間はアルバイトも含めて働いている学生ばかりである。



今回の連合軍の中に、実家が金物屋のヤツがいたため、こやつに型を渡し、合カギを作らせた。



続いてE原を、まずは“天国”へと導くエサの手配である。



やはり普段、我々がツルんでいる女の子にさりげなく聞くと





「ったく…カノジョが出来て嬉しいのはわかるけどさぁ~…。

いちいちノロケるなっていうか、自慢すんじゃないって感じだよね~…(本当に言った)」





と、やはりE原に“天誅”を加えてやりたいと思っていることが判明した。








コイツぁイケるぜ…。








そのため一番ノリが良く、E原とは接触が少ないコに計画を披露して協力を要請すると



「やる」



と快諾(笑)




この他、各種小道具をそれぞれが調達して、作戦当日を迎えた。

(続く)