わたしのアナザースカイ・京都への旅。 | HappyWomanのすすめ。

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18歳からの大学4年間を、私は京都で過ごした。

源氏物語に傾倒していた当時、古文を学ぶなら京都だろう!という明快な理由での選択だった。しかし、実際には、単位すれすれだけ学校に行き、アルバイトに明け暮れる毎日だったのだけど。まぁ、そんなものよね。

 

卒業後、私は地元福岡で就職し、27歳のときに転勤で東京に出て来た。気が付けば、京都を離れて、実に15年以上ものときが流れていた。

 

私は日テレで放送している「アナザースカイ」とういドキュメンタリー番組が好きだ。

この番組では、「アナザースカイ」は「海外にある、第二の故郷」という意味だけど、私にとって「アナザースカイ」はどこか?と考えたら、それは紛れもなく京都なのだった。

 

そんな京都に、久しぶりに遊びに行きたいなと思って、例のごとく、年始に2018年の目標として「そうだ、京都行こう」を掲げた。そして、11月の3連休に、京都旅行が実現した。

 

思えば、この3~4年は激動で、ゆっくり旅行をする時間もお金もなかった。

今回も、職業病で、PCはしっかり持って行ったけれど、完全にプライベートの旅行ができる今年の自分に、「よく頑張ったね」と言ってあげたくなった。しみじみ。

 

なんて感慨は、しかし京都駅に到着した瞬間に吹っ飛んでしまう。

11月の3連休。紅葉シーズン。しかも、私が住んでいた時代よりさらに外国人観光客は増加している。インバウンド半端ないって!!

とにかく、人、人、人。

総武線や東西線の朝ラッシュが駅全体に広がっている感じだ。私が引っ張る荷物のゴロゴロがいろんな人に当たりまくって、「ごめんなさい!」「すみません!」と言いながら必死に歩いた。

 

初日はまず四条周辺から。当然、街並みは随分変わっていて、阪急百貨店がない!などと少し淋しい気持ちになる。

 

続いて二条城へ。追っかけ視聴している大河ドラマ「西郷どん」とタイミングがピッタリ合って、大政奉還ってここで宣言されたのね、と感動する。

 

華道家元池坊のいけばなとコラボしたライトアップも拝観。

 

夜は三条付近でご飯を食べて、そうだ、このへんに池田屋があったよねと、ふらりと歩いて向かってみる。

 

前はパチンコ屋だったけど、今は、居酒屋はなの舞。

 

内装も凝っていて、やりすぎ感はあるけれど、歴史好きには嬉しいつくりになっている。

 

2日目は、大学時代のホームタウンを巡る旅。

4年間住んだのは、近鉄と京阪が乗り入れる伏見区の「丹波橋」。

 

 

近鉄を降りた瞬間、パンの焼けるいい匂いが! 駅構内にパン屋ができていた。さらに成城石井まで。でも、京阪の改札内にある本屋はそのままでちょっと嬉しい。

 

わたしは4年間、ここのマクドナルドでアルバイトをしていた。伏見桃山の大手筋商店街だ。

 

夜は、人気の焼き鳥屋「鳥せい」へ。

マクドナルドの懇親会で使っていたお店で、私が大学時代に一番「おいしい!」と思ったお店だった。

 

伏見の地酒が売りの鳥せいは、15年の間に、なんと16時から行列ができるほどの人気店になっていた。

 

お店を出て、「竜馬通り商店街」へ。

こんなの、昔はなかった。

聞くと、大河ドラマ「龍馬伝」のときに、流行にあやかってできた商店街らしい。伏見は、坂本龍馬が襲われた「寺田屋」があるのだ。

 

そんな竜馬通り商店街に「バーサカモト」を発見! 

 

これは、歴史にゆかりあるお店に違いない。と、入ってみると、大手メーカーを辞めてお店を始めました、というお兄さんが、「歴史は全然詳しくないんですよ」と。

ん?

「名前が坂本なので、ちょうどいいかなと思って」

ということで、龍馬にちなんだ特別なカクテルがあるわけでもなく、坂本さんが経営しているただのバーだった笑。

 

 

「私も東京でバーテンしていたんですよー、お酒はまずいという評判でしたけど」

なんて話ながら、おいしいお酒をいただいた。

 

3日目は、大学と京都御所へ。

 

自分のルーツをめぐるような時間を過ごし、なんだかとてもスッキリした気分で私は東京に帰った。

 

大人になると、初めての場所がだんだん少なくなる。でも、かつての思い出の場所を再び訪れる楽しさは、年を重ねたからこそ味わえる醍醐味かもしれない。

15年前、想像すらしなかった生き方をしている今の自分が、感慨深かった。人生の伏線を回収している気分だ。

 

 

―あなたにとって、京都とは?

番組でお決まりの、最後の質問を自分にも投げかけてみる。

 

思い浮かんだ答えは、「初めて、自分の人生を歩き始めた場所」。

 

親元を離れ、初めて一人暮らしをした場所。そして、初めてアルバイトをして、自分でお金を稼ぐことも経験した。

今よりもずっと未熟で未完成で、だけどその分まじめで、純粋で、ひたむきだったように思う。

 

人生には、いくつもの季節がある。

東京で過ごす今も、いつか懐かしく振り返るときが来るのだろうか。