『檸檬と私と不吉な塊』振り返り(長い) | 日常

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安藤陽佳の出演情報等のお知らせ中心!

APOFES2018が幕を閉じました。
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今回参加したいと思ったきっかけがありました。
もともと少しひとり芝居に興味を持っていた私は、昨年も同様に行われていたAPOFES2017の受付のお手伝いをさせて頂き、何人かの方のひとり芝居を観劇しました。

その時、
「一人一人演じたい世界というものがあり、それを表現して良いのだ」
と感じたからです。
それはなんと素晴らしいことだろう、と。
舞台上で表現している方々がとても羨ましく思いました。

APOFES主宰の猪俣さんが女性だったということにも驚いたのを覚えています。何も知らずに行ったので…
初めて伺ったときはインパクトを片手に舞台を修繕をしていたところで、それにも少し驚きました。
同じ女性として単純に尊敬の念を抱きました。

さて、いきなり話が脱線しますが…
その時に劇団どろんこプロレスさんの勃起崎さん、栗林さん、浅田さんとお知り合いになり(とても気さくな方々で有り難かった)お話をしていてギャラリースペースしあんについてお聞きしました。素敵な古民家がありますよって。
そして昨年5月の公演に至る…と(笑)

そんな素敵な出逢いもあったAPOFES。
私も出たい!挑戦してみたい!と思い応募したのです。お芝居始めてからちょうど節目の年でしたし。

もうこの時には梶井の「檸檬」をやると決めてました。
何故「檸檬」なのか…
文学作品やってみたいってのも多少あったけれど、教師とか演劇をやっていない人を巻き込みたいとも思っていました。
「檸檬」は高校の時に教科書に載っていてなんだか印象に残っている作品でして、読み直してみると心情が重なる気がしたのです…性別も時代も環境も全く違うのに。それが不思議で。それにこの作品を上演すれば今私が悩んでいる事や辛い事も昇華できるのではないか…とも思いました。結構不純ですね。

9月。有り難い事に今年のAPOFES2018に参加させて頂ける事になった喜びもつかの間。さてどうするか。大変だぞー。これは確実に私一人じゃ無理だな、となって演出を依頼することに。

そこで頼み込んだのが、なみけんさんこと浪打賢吾さんでした。なみけんさんとは以前同じ養成施設で一緒でしたが殆ど話した事もなく…何度か同じ授業やご出演されていた舞台を拝見したところその芝居や雰囲気は異様で惹かれるものがありました。
なみけんさんが代表を務める『企画室 磁場』の公演は演出をしており、細部への拘りも凄くて演劇への愛を感じました。何より舞台美術の美しさは衝撃でした。
2回目の公演は“演劇×ドキュメンタリー”なにそれ?本当にやるの?舞台で?
この人のアイディアは底を知れないなと思いました。それを実際に作品にするのは決して簡単な事ではないことはとてもよく分かるのでやっぱこの人すげぇなと思いました。

なみけんさんは本当に自分が面白いと思った事(その面白さはちょっとハードルが高いと思う)を真っ直ぐに突き進んで行く人だなという印象だったので…正直、かなり駄目元で頼みに行ったんですが(以前に別件で断られていたこともあったので)案外あっさり引き受けて下さりビックリしました。いや、本当にビックリしました。何回か聞き直しました。
「え?いいんですか?本当に?本当に?まじですか?え、いいんですか?」みたいな感じだった気がする…(軽っ)

そして私は脚本執筆に取り掛かる。
ここで、感謝を伝えたいのは同級生の国語の教師をやっている幼馴染と高校時代の同級生の二人。覚えてないかも知れないけど檸檬について教えてくれた時があったでしょう。本当にあれ私にとっては有り難かったのよ。ありがとね。

12月。結局三稿目で脱稿。想像以上に時間がかかってしまいました。
当初想像していたものとは全然違うものになりました。
11月の時点でプレ稽古が始まっていましたが、色々お話ししました。とにかく色々話ました。
脚本と出演が同じ人で演出が別ってそういう事ですよね。
それは本稽古に入ってからもそうでした。ひたすら話ました。
もうね、今だから言うけど常に不安でした。
私の技術が低すぎでついていけなくて家で泣きました。それに勉強不足過ぎました。こんなにも私は演劇のことを知らなくて今まで何やってたんだろうと思いました。後悔ばかりです。
恐らく演出は多くを諦めただろうと思います。私がもっと提供できれば…もっともっと何かが生まれた筈なのに。それでも「面白くするから」という言葉をくれたのでそれを信じて、今私ができる事をやるしかありませんでした。
初めてしっかり通しをしたのは確か本番の3日前くらいだった気がします。
自分で言うのも…ですが率直に面白いと思いました。技術云々無しにしても、こんな私でも面白くしてくれたんです。


1月、本番。
皆さんにお見せした『檸檬と私と不吉な塊』
これは“今の安藤陽佳”の全てでした。
だからもっと出来たんじゃないかとかは無いです。そりゃミスはありましたけどそういんじゃなくて、創作するにあたって、俳優としても脚本家としても自分自身の演出家としても舞台作品を創るにあたってこんなものかと…自分の力量というのをはっきりとそりゃもうはっきりと自覚しました。

本番終えて、私を知っている人も知らない人もこの作品を観劇してくれた方々のいろんな感想をお聞き出来たのが私は何よりも嬉しい。伝えてくれてありがとうございます!
私はこの作品で伝えたかった事?といっていいのかな。「幸も不幸も考え方次第だ」ということ。あと「自分しか見つける事が出来ない好きなモノって尊い」ということ。それに気づかせてくれたのは小説「檸檬」だったなぁと思います。

皆さまの感想聞かせてもらって
いやーなんかね、これぞ芸術じゃないかと(笑)



今までの書き方的に…誤解して欲しくないのは、私はこの作品をめっちゃ面白いと思ってるんですよ。当たり前だけどこれは本当に心から。
だからこそもっともっと面白くなったかもしれない。あー申し訳ないなーって気持ちが強くて…もっと私に技術があれば、知識があれば。後悔しても遅いのですが。
だからもうね、修行するしかないんですよ。勉強するしかないんですよね。

私、リラクゼーションの仕事も楽しいし、いろんな事に興味が向いて手を出すし、やりたい事も沢山あるし、旅行好きだし、ゲームも好きだし、あ、これ関係ないわ。脚本も演出も俳優もやってみるし中途半端だからでしょうね。

「あなたは何がしたいの?」

とよく聞かれます。

「私はただ面白い作品を作りたい」

と思います。それだけなんです。
なみけんさんも同じ事を仰っていましたがパクリじゃない!と言いたい(笑)

でもそれだけじゃ駄目ですね。具体的に、細かく一つずつ出来ないことを、知らない事を潰していかなくては。これはこれからも演劇続けたいなら尚更。どうなのかな…続けたいの?どうなの?

まあ、でも私の人生だから

と言ってくれた大先輩のお言葉を噛み締めながら相変わらず悩みまくりながら生きていこうと思います。


めちゃくちゃ長文。
もはやブログなのかこれは。

振り返りはこんな感じです。たぶん後で「あ、あれ書いてない」とかある気がするけど…
これで終わりです。『檸檬と私と不吉な塊』はこれで終わり。
ここまで読んでくださった方、いつも読んでくださる方、初めて読んだ方もありがとうございます😊

アポフェスの打ち上げは楽しかったなぁ!
出演者さんともお話できて本当に楽しかった!
今回のアポフェスは結局8作品しか観れなかったけど本当面白いと思う。全員全然違うの。凄く面白い。観れなかった人のが悔やまれる…
またいつかどこかで何か御縁がありますように…


最後に、いつも応援してくれてありがとうございます。これからも応援してくださると大変嬉しいです。