核兵器がこの世にある限り@ブラジル | ピースボートおりづるプロジェクト

ピースボートおりづるプロジェクト

広島・長崎に投下された原子爆弾で生き残った
ヒバクシャの人とともに地球一周の船旅を通して
各国に被爆証言を伝え、繋いでいくプロジェクトです。

日本から遠く離れ、2月9日にブラジルに着きました。

朝、港近くのカフェテリアに行くと、ちいさなカップにコーヒーを注いでくれました。そのコーヒーの優しくすっきりした味わいが大好きになりました。船のデッキからは、こんもりとした山の上に家がたくさん建っている「ファベーラ」と呼ばれる地域が見えます。

今日からブラジル在住の被爆者・渡辺淳子さんが乗船します。それにともない、現地のICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)スタッフ・クリスティアンさんが進行役となり、船内で記者会見をおこないました。
クリスティアンさんは朝一番の飛行機でリオに来て、昼食の席でもずっと核の問題について話して下さいました。
通訳と聴き手役は、ブラジルでいちばん人気の、日本に向けた番組をつくっておられる清美さんです。清美さんは「この日のために原子爆弾のことをしっかり勉強してきました」と話しかけてくださいました。笑顔が本当に素敵な方でした。


熱のある素晴らしい記者会見でした。
ピースボート35年間の道のりと世界の問題意識についての話、そしておりづるプロジェクトの紹介をした後に、渡辺淳子さんの被爆証言をポルトガル語で聞きました。首もとに被爆者・佐々木禎子さんの顔写真をさげ、地面にシャッキリと立って語られる淳子さんの被爆証言からは、言葉がわからなくても、感情と意見と思いやりが伝わって来ました。


記者会見と証言会の後も、会場にいるみんなが話し合っていました。
被爆の実態を知らなかったという方は、「むごいよね」と呟きました。
また、被爆証言を広島・長崎という日本だけの問題にせず、世界のどこにいても核兵器がある限りは被爆の可能性があるという淳子さんの言葉が印象的でした。


これまで、被爆者の声を、そしてご自身の経験を世界に届けてこられた淳子さんのことを、これから地球半周かけて知りたいと思いました。

 

おりづるユース 森山景