おりづる演劇『女絵かきの一生 2019』@船内 | ピースボートおりづるプロジェクト

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広島・長崎に投下された原子爆弾で生き残った
ヒバクシャの人とともに地球一周の船旅を通して
各国に被爆証言を伝え、繋いでいくプロジェクトです。

旅の半分が過ぎました。これまでの時間に想いを馳せ、この先の旅路へ想いを巡らすような、この頃です。

そんな中、わたしはおりづる企画として演劇『女絵かきの一生 2019』を上演しました。
物語は「原爆の図」など、社会問題を題材にした作品を描き続けた油絵描き・丸木俊(まるきとし)さんを主人公にした評伝劇です。俊さんが描く絵のなかの人々は、悲惨な現実の中にいながらも、みなどこか美しさがあります。戦後の暗い時代を、絵とともに強い心で生きた彼女のことをもっと知りたくて脚本を書きました。
 今ここでしかできない上演にしたいと強く思いながら、一ヶ月をかけてつくりました。一人でも多くの方に楽しんでもらえるよう、通訳グループと協力して、日本語・英語・中文の字幕スライドをつくりました。韓国生まれの被爆三世の友だちに、韓国語で台詞を喋ってもらう演出も取り入れました。30名を超える演者・音楽隊・スタッフは、みんなこの旅ではじめて知り合った仲間たちです。お客さまは毎日船内ですれ違う誰か、です。
 本番は立ち見が出るほど多くの方が見に来て下さいました。上演後、マレーシアから来た方が「あなたのことをもっと知りたいです」と声をかけてくださいました。ほかにも「帰国後、丸木俊さんが設立した丸木美術館へ行きます」と話した方もいました。

 この先ももっと多くの人と密に関わりながら、お互いの考えを話し合いながら、おりづるプロジェクトのことを知ってもらいたい。もっと多くの人をこのプロジェクトに巻き込んでいけるように、毎日を生きようと思います。

 

 

 

おりづるユース 森山景