私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(早雲は最初は伊勢新九郎盛時(いせしんくろうもりとき)と名乗っています。)
悪政で家臣、国人そして民の信頼を失う堀越公方・足利茶々丸(あしかがちゃちゃまる)様を盛時は攻める決意をしました。
盛時「小太郎(こたろう)、わしが密偵となって伊豆国に入るぞ。」
小太郎「え?それなら忍びのわしらがやるよ。」
盛時「いや、わしも自分の目で伊豆を見たいのだ。それと味方を増やしておきたい。」
小太郎「茶々丸の悪い政で回りはウンザリされてるからね。よし、伊豆はわしが案内します。」
盛時は忍びの小太郎と密かに伊豆国に入りました。
伊豆国に入った盛時が見たのは怯えている民でした。
悪政を敷いた茶々丸に重い税を課せられ無理矢理働かせられ民は疲弊していたのです。
盛時と小太郎は茶々丸様のいる堀越御所に忍び込みました。
そこで見たのは荒れる茶々丸でした。
茶々丸「山内上杉家(やまのうちうえすぎけ)に兵を出すぞ!兵糧を集めるのだ!」
家臣「しかし、民が疲弊して…」
茶々丸「やかましい!働かせろ!強い堀越公方を見せて、わしが関東を治めるのじゃ!!」
茶々丸様は伊豆一国に治った堀越公方を関東一円の支配する権力を持とうとしていたのです。
盛時「なんと無謀な…。」
盛時はその後、伊豆の修禅寺に行き国人にも会いました。
修禅寺は温泉として有名だね。
修禅寺で会った国人は伊豆国の江梨城の鈴木繁宗(すずきしげむね)殿でした。
繁宗さんは江梨五ヶ村を支配していたんだ。
繁宗「国人は皆、茶々丸様を信頼してはおらぬ。重い税を課し、家臣を平気で斬る…誰が信頼できようか。」
盛時「民を疲弊させる領主…領主は民あっての領主なのだ。民を大事にせねば国は潰れてしまう。」
繁宗「我ら国人は民とともに生きてきたのだ。」
盛時「繁宗殿、わしに力を貸してくれぬか?わしが伊豆国を立て直したい。」
繁宗「そなたが?」
盛時「うむ。」
盛時は懇々と話をしました。鈴木繁宗殿だけでなく他の国人にも同様に話をしていったのです…。
つづく…
次回をお楽しみに〜