あれだけ鬱陶しいと嘆いた日差しはすっかり翳り、台風が残していった異常気象が随分懐かしく感じられた。
半袖のシャツ一枚で外を歩くことも少なくなったし、香る金木犀がより一層、冬の訪れを感じさせた。
平成最後の夏であり。3人になって初めての夏でもあった。
7月。
1カ月かけて沢山準備をした。
新しい曲を書き、今までの唄と向き合い。
何を歌おう。どう演奏しよう。
試行錯誤にひたすら明け暮れた。
改めて萩原の存在を再確認しながら、3人で唄を届ける方法を模索した。
日々それだけに向き合う、ある意味では孤独で、とても充実していた7月はバンド史上とても貴重な1カ月だった。
8月。
沢山のステージを踏んだ。
思い描いたモノ。唄を表現する事の難しさをひしひしと感じた。
3人。
裸だ、と思った。
用意したモノは、ステージの上では結局
「準備をしてきたモノ」
に過ぎなかった。
何も隠せない。誤魔化すことのできない舞台。
これが3人。
足が震えた。
なんとか立って、食いしばって、声を枯らして。
成そうとする毎に、少しずつ見えてきた。
可能性。
この3人だからこそ歌える唄がある。
創り出すことのできるステージがある。
8月と9月は手探りだった。
触れ、傷付き、そして得た。
10月。
この3人になって、東京、最初の大舞台。
渋谷eggmanには大なり小なり思い出がある。
そして2マンの相手、ちゅぱかぶら( )にも。
どうしようかなって思うっちゃうくらいに頼りなかった後輩は、ステージを踏んで、脱退、リリースを経て強く逞しくなった。
2マン。
同じ1日を共に作りたいと思えるバンドになっていた。
俺たちを見ていてくれている人。
ちゅぱかぶら( )を見てくれている人。
その全員と共に10/15を作りたいと。
今は本当に強く思っている。
これまでとこれから。
HIGH BONE MUSCLEもちゅぱかぶら( )も。
その先を見据えていることを、この日、あなたに伝えたいと思っている。
ライブ。
楽しんでほしい。喜んでほしい。その心に刻んでほしい。
そしてなにより。
俺たちが歩むその道の先で。
あなたと共に在れることを証明させてほしい。
2018年10月15日 渋谷eggman
あなたのことを、待っています。
鈴木啓
チケットの予約はこちらから