こんばんは。今日は、私がカウンセリングをするさいに心がけていることの一つについて書いてみたいと思います。
西郷隆盛の言葉で、こういうのがあります。
「人を相手にせず、天を相手にせよ。 天を相手にして己を尽くし、 人を咎めず、 我が誠の足らざるを尋ぬべし」
これは『南洲翁遺訓』という、生前の西郷隆盛に聞き書きしたものを集めたものに出てくる言葉です。
全体的にみるとすごく立派な感じで、とっつきにくいかもしれませんが、私が好きなのは最後の「我が誠の足らざるを尋ぬべし」のくだりです。
カウンセリングがうまくいかない場合に、クライアントの「やる気」だとか「姿勢」に問題がある、という結論にされる場合があります。
私は、基本的にそういうふうには思わないようにしています。
なぜかというと、自分以外に問題があると考えてしまうと、自分の側は何も変える必要が無い、そのままでいいということになり、そこで自身の成長や改善は止まってしまうからです。
そうではなくて、「我が誠の足らざるを尋ぬべし」というような見方をしてみると、「自分にもっと力量があればうまくいったのではないか」というように、自分が変わる方向に持って行くことができる。
私の中のルールでは「うまくいったときはクライアントのおかげ」「うまくいかないときはカウンセラーのせい」ということにしています。
このようなスタンスに立てば、どこかで打ち止めというということはなく、際限のない成長・変容のサイクルに自分の身を置くことができます。
そうやって私はカウンセリングのレベルを不断に高めてきました。これからもそれは続くでしょう。
このような見方は、この教室だけでなくて、世間でカウンセリングをしている方の多くにお薦めしたいと思っています。