全国に約25000社ある諏訪神社の総本社「諏訪大社」に行ってきました | 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ

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どうも私はパワースポット巡りが好きである。
今回のパワースポット、場所は長野県の「諏訪大社」である。
  
諏訪大社の歴史の始まりははっきりしないが、691年「日本書紀」に、それらしい事が書かれているようである。
  
諏訪大社は4つの「宮」がある。
上社本宮(かみしゃほんみや)
上社前宮(かみしゃまえみや)
下社秋宮(しもしゃあきみや)
下社春宮(しもしゃはるみや)
  
私は、上の順番で訪れてきた。
  

上社本宮:一の御柱の前にて)
  

南無諏訪南宮法性上下大明神:ネットより引用
  

諏訪法性の兜:ネットより引用
  
長野県の隣りにある山梨県、当時「甲斐の国」の戦国武将と言えば戦国時代(1500年代)の「武田信玄」が有名である。
諏訪大社と武田信玄には深いかかわりがある。
  
#その1:戦のときの旗(幟)
信玄は戦の際、有名な「風林火山」の旗のほか「南無諏訪南宮法性上下大明神」と記された旗印(上2枚目の写真)を、陣列の先頭において出陣したいう説がある。
  
#その2:諏訪法性の兜
信玄が出陣した幾多の戦の中で、諏訪大社からいただいた「南無諏訪南宮法性上下大明神」をあしらった諏訪法性の兜(上3枚目の写真)。
  
これを身につけていた戦はすべて勝利したとされている。
さらに武田信玄だけでなく、武田家はその父の代から諏訪大社を守護神としている。
  

(下社春宮:一の御柱の前にて)
  
  
新宿駅から中央線特急電車で約2時間、「茅野(ちの)駅」で下車。
  
#基礎知識:その1
・諏訪大社は、信濃国(長野県)の一宮、末社含め全国25,000社に及ぶ諏訪神社の総本社である。
・諏訪大社にはご神体(神様が降臨して宿るとされているもののこと)が祀られている本殿(ほんでん)がなく、参拝するための拝殿(はいでん)がある。
  
⇊とても簡単だが、下に「神社の基本的なつくり」を示す。

  
⇊ちなみに最初の訪問地「上社本宮」は、背後の守屋山そのものがご神体である。
  

(上社本宮正門鳥居、背後に守屋山)
  
  
#基礎知識:その2  
4宮とも、社殿四隅に「一」~「四」の「御柱(おんばしら)」という神柱が立っていて、圧倒的なパワーを放つ。
  
右下から時計回りに「一の御柱」「二の御柱」「三の御柱」「四の御柱」と並んでいる(写真もそのように作成)。
「三」「四」は、立ち入り禁止区域にある場合が多く、なかなか近くまでは行かれない。
  
6年ごとに「御柱祭」が行われ、4×4=16本の新しい御柱が作られる。
平成28年はその年であった。
従って、木の肌がまだ若々しい。
  

(上社本宮御柱)
  

(上社前宮御柱)
  

(下社秋宮御柱)
  

(下社春宮御柱)

  

#基礎知識:その3
神社の入口には通常、手水舎(ちょうずや)がある。
そこでまず手水(ちょうず)、すなわち手を洗って、鳥居の前でお辞儀をして左端からまたいで入る。
  
用語や作法に興味のある方は、こちらのサイトを参照。
http://happism.cyzowoman.com/jiten/shrine/post-306.html
  
この手水舎は、龍の口から水が出る。
しかも、温泉地が多いこの地域らしく、温泉が出てくる手水舎もある。
味も、いわゆる温泉のお湯である。
  

(上2枚とも上社本宮の手水舎)


① 上社本宮(かみしゃほんみや)
建造物が四宮(四社)の中で、一番多く残っている。
  
正面から入って左斜めに、冒頭の写真「一の御柱」がある。
  

(上社本宮正門:北参道)
  

(上社本宮二の御柱近く:表参道)
  
  
1つわからなかった事がある。
  
下の案内図のように、「一」と「四」の御柱が敷地のやや中側に位置している事。
多分、拝殿を取り囲むのが目的かと思う。
  
ちなみに「上社本宮」の説明は、下の境内図では3時方向から時計周りに進んでいる。

(上社本宮境内図)
  
  
正面に拝殿が見えるが、鳥居から入って左側に進むと、1700年代後半に活躍した「雷電為右衛門(らいでんためえもん)」という力士の銅像がある。
  
ちなみに雷電為右衛門は勝率.962で大相撲史上の最強力士とされている。
しかし様々な説により、大関止まりで横綱免許を受けられなかったらしい。
  

  

  

銅像と土俵をはさんだ所に、「神楽殿(かぐらでん)」があり、ここには直径1.8m・長さ2.15mもある新旧の「諏訪太鼓」が置いてある。
  


(神楽殿:諏訪太鼓)
  

上の境内図で6時方向に進む。
敷地内の左端には、「出早社(いづはしゃ)」という、お諏訪様の門番神がある。
  
神社参拝はその土地とのご縁を結ぶことから、土地の守護神である地主神に敬意を払うことが重要であり、ここは必ず参拝する必要がある。
  
尚、この左側から三の御柱を見るのだが、初めて来た人は16本の御柱の中で、ここのみ敷地内からすぐに探すことができないかもしれない。
一度、敷地外(外界)に出て探すのが良いかと思う(下2枚目の写真は外界より撮影)。
  

(出早社)
  

(上社本宮三の御柱:外界より撮影)
  
  
出早社の右側、樹齢千年ともされている大欅(おおけやき)と並んでいる「二の御柱」の隣りには1829年に建立された「入口御門」という渡り廊下がある。
  
ここには、その時代の巧微な彫刻が置かれている。
  


(入口御門、右側に二の御柱)
  

  

  

その中に、下の写真。
  
これは「御柱祭」の時に、何人かで時計回りに回って、新しい御柱を立たせる時に使うものである。
御柱は1000~3000人が引っ張って、1時間かけて立たせる(下2枚目の写真)。
  

  

(御柱祭の模様、ネットより引用)
  
  
途中には1608年、徳川家康の命により建立された四脚門(よつあしもん)、及び正面奥に硯石(すずりいし)が見える(立ち入り禁止区域)。
  

  

  
再び正面に戻り、拝殿で参拝する。
  

  

  

  

ここには、「穀(かじ)の木」がある。
「梶」ではなく「穀」である。
この葉には、字を書くことができて、子供たちが願い事を書く事もあるようだ。
  
さて、「上社本宮」だけでも、かなり長くなったが、ここは4つの宮の中で一番見どころが多い。
これ以降は、あまり長い説明にはならない。
  

   
② 上社前宮(かみしゃまえみや)
諏訪大神が出現し初居を構えた、諏訪信仰の発祥地。
  
4つの宮では一番小さく、下の写真だけでも、右端に「一の御柱」、左端に「二の御柱」が見える。
  

  

(上社前宮本殿)
  

(上社前宮一の御柱の前にて)
  
  
前宮のみ本殿がある。
  
また「三の御柱」~「二の御柱」の近くを、名水「水眼(すいが)」の清流が流れ御手洗川となり、昔からご神水として大切にされた。
  

(手前が上社前宮二の御柱、向こう側に三の御柱が見える)  

(名水「水眼」)
  
  
さて、後半の「下社」の説明の前に、閑話休題。
  
武田信玄ら武田家の守護神だった諏訪大社だが、上社本宮では徳川家康の名前が出てきた。それはなぜか?。
また武田家を滅ぼした織田信長が、なぜあっという間に天下から引きずり降ろされ、そして徳川家が長きにわたって江戸時代を築いたのか?。
  
武田信玄が神社の扱いを知っていたように、織田信長も同様に神社の扱いを知っていた。
1582年、信長は信玄を追い詰めていたが、その時に何と何と!武田家が熱心に進行していた上社本宮まで焼き討ちしてしまった。
ちなみに信長といえば、延暦寺の焼き討ちが有名だが、敵の守護神までも滅亡の対象となったわけである。
  
信長は、上社本宮の隣接する「法華寺(ほっけじ)」に陣取った。
ここで後の「本能寺の変」で殺された明智光秀を、信長は殴る蹴る、頭を手すりに押し付けるなどで、皆の前で恥をかかせたという経緯がある(下へ続く)。
  

  
(続き)
さて、神社は人々の祈りの集合体である。
諏訪大社のような歴史ある大きな神社には、それだけ膨大な祈りが積み重なっている。
  
諏訪大社は戦いの神である。
よって、相当に攻撃的な願いや、うらみつらみのはけ口にもなっている。
そんな自身の魔・邪気を封じ込めておくのも神社の役割である。
  
特に諏訪大社は、最初に紹介したように社殿の四隅を「御柱」という高い木の柱で囲む構造のため、人々の内なる魔を閉じ込める力は、日本で最も強力である。
  
それを信長が上社本宮を焼かせてしまったので、人々の内なる「魔・邪気」を野放しにしてしまったのである。
その結果、信長・信忠親子、そして明智光秀もそろって滅亡の道を歩んだとされている。
  
一方で徳川家康は、特に神社の扱いが上手だった。
信長が焼き討ちした上社本宮を再建させた。その結果、徳川家は長きにわたり天下をとったのである。
  
以上の内容は、下の本を参照とした。
また、このエピソードが私を諏訪大社に行かせるきっかけとなった。
  

  
さて旅の続きに戻る。
中央線で、茅野→上諏訪→下諏訪駅と移動。
上社は茅野駅からタクシーを使ったが、下社は下諏訪駅から徒歩10分程度のため徒歩で移動した。
  
③ 下社秋宮(しもしゃあきみや)
鳥居から入ると、まずは木の精霊が宿る樹齢700年の「根入りの杉」というご神木が出迎えてくれる。
  
諏訪大社や諏訪湖は、多数の土着神や精霊の宿る一帯とされている。
右側には、大きな「さざれ石」もある。
  

(下社秋宮正門)
  

(根入りの杉)
  

(さざれ石)
  
そして正面奥に進むと、ガイドブックでは一番有名な「神楽殿(かぐらでん)」がある。
  
太い立派なしめ縄は、出雲大社型で日本一の長さ(13m)。
両脇の狛犬は、青銅製で日本一の高さ(170cm)である。
  

(下社秋宮:神楽殿)
  
更に奥には拝殿がある。
  

  

(下社秋宮:拝殿)
  

  
鳥居から反対側を見ると、諏訪市の一部が見渡せる。
目の前の通りで、「アビー・ロード」をしたくなったが、1人だったのでやめた。
  
下社秋宮の鳥居を抜けて、右方向に歩く。下社秋宮から下社春宮までは徒歩15分以上かかったか。
途中で、遠くの方の諏訪湖を見ながら移動した。
  

  

  
④ 下社春宮
正面には「神楽殿」、更に奥には拝殿がある。
  

(下社春宮正門)
  

(下社春宮:神楽殿)
  
  
下社の春宮・秋宮は、社殿の構造・配置が同じ「対の宮」である。
同じ絵図面で2人の名匠が競い合って造られたものである。
  
これで、4つの宮を全て回った。
だが、これで帰ったわけではない。
  

  

(下社春宮:拝殿)
  
  
#万治の石仏(まんじのせきぶつ)
http://shimosuwaonsen.jp/item/53/
小林一茶の俳句が書かれた石碑を見て、下社春宮から砥川(とがわ)を渡って、「芸術は爆発だ!」の岡本太郎さんが絶賛した万治の石仏へ移動。
  
昔、春宮の鳥居を作る際、この石にノミを入れたところ血が流れ出したそう。
石工が驚いて霊が宿る石だと阿弥陀如来を祭ったという言い伝えがある。
パワーが宿る石として、多くの観光客が訪れている。
  

小林一茶の俳句が書かれた石碑
  

(万治の石仏)
  

岡本太郎の名前が左下に書かれてある
  
  
↓下は、他の観光客が写真に入っているが、先ほど「アビー・ロード」が出来なかったから、写真を撮ったわけではない。
そもそも、「アビー・ロード」は左から右方向で、しかも4人だし(#^.^#)
  
ここでは、石仏の周りを願い事を心で唱えながら、時計回りに3周する事になっている。
  

  

  
再び中央線で、下諏訪→上諏訪駅へ移動。
諏訪は、温泉でも有名である。
  
「テルマエ・ロマエ」のロケ地で有名な、片倉館」へ行った。
ただし、お風呂場はロケには使われていない。
  
下3枚目の写真は、ネットからの引用だが、このお風呂場を使っても良かったと思う。
  

  

  

(片倉館)
  
  
最後に片倉館の目の前にある諏訪湖に移動。
  
諏訪湖には高さ6mのブロンズ像がある。
名前は、地元の人も知らなかったり、あるいは間違えている人も多いらしい。
  
名前は、八重垣姫(やえがきひめ)
八重垣姫は上杉謙信の娘、ただしこれは、お芝居の中での話。
  
浄瑠璃や歌舞伎の演目の一つに「本朝廿四孝(ほうんちょうにじゅうしこう)」というものがあり、それを題材に造られたブロンズ像である。
  

  

  

  
以上が、今回の私の旅ログである。
最後に、都内から観光するにあたっての注意点。
  
行く場合は、断然自家用車がいい。
電車だと特急で2時間、自家用車だと3時間かかる。
電車だと新宿から茅野駅まで、特急券を含め、片道約5000円である。
  
更に、茅野駅から上社に行くには、バスが1時間に1本程度しかないため、タクシーが必要。
しかもこのタクシー代が高い。車社会のため、おそらく観光客が多くタクシーを利用すると思われる。
基本料金が700円で、100円ずつアップしていく。
その結果、茅野駅→上社本宮が1500円、上社本宮→上社前宮が900円、上社前宮→茅野駅が1300円かかった。
  
またタクシーは上諏訪・下諏訪駅には多いが、茅野駅には少ない。
上社の移動の際は、事前にタクシーを予約した方がスムーズである。
ちなみに茅野駅前にはレンタカーもある。
  
一応、見学に必要な時間の目安を記す。
① 上社本宮:1時間以上
② 上社前宮:20分
③ 下社秋宮:30分
④ 下社春宮:30分
  
尚、上諏訪駅ホームには、何と足湯がある。
特急電車は本数も多くないため、待っている間、足の疲れを癒してもいいかと思う。
  

(上諏訪駅ホームの足湯、奥で人が足湯を楽しんでいる)
  
  
それから不定期のようだが、新宿からツアーバスもある。
⇒ 『四季の旅:諏訪大社参拝
    
またもっとじっくり見物するため、前日から泊まりで訪れる際は、「上諏訪温泉 しんゆ」をお勧めする。
翌日、四社とも無料でバス移動して、しかも、観光案内までしてくれる(下の写真)。
私も、上社本宮で、たまたまツアーに出会ったため、案内人の話を近くで聞くことができた。
⇒ 『無料巡回バス「しんゆ号」で諏訪大社四社を巡るコース
   

  
今回はいつも以上に入念に調べてから訪れた。
しかし、タクシーの運ちゃんと話してみると、まだまだ行くべきところはたくさんありそうだ。
  
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!(^^)!