余命1ヶ月の飼い主と、飼い猫たち | 大阪ねことこ

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猫を拾ったり里子に出したりしています。
増えないように、野良ちゃんは不妊手術だよ。

福祉系な知り合いからの相談だったのですが、仕事で関わっている人がもうすぐお迎えが…なのに家に飼い猫がいるとの相談で。

飼い主の余命1ヶ月とのこと。


聞いたら近所。

ということは、その飼い主が死んだらおそらく私が出入りしてるセンターに収容される。


そうなってから手を出してもいいが、せめて飼い主としてのある程度の責任を負わせたい。

生活保護で団地にいる末期癌の後期高齢者が何をできるかというと、大したことはできない。ということはわかっているが。


完全室内飼いだったことは不幸中の幸い。

福祉の人間も気にかけてくれたことも良かった。


ワクチンをしてエイズ白血病検査をすることを条件に出した。

本人がお金を出すこと。

実際に通院に行くのは福祉の人でもいい。

飼い猫にお金を払うことは飼い主の大事な責任なので最低ラインのワクチン検査をするようにと。



で、ウィルス陰性だったしワクチン射って1週間くらいしてからお迎えに行った。


到着し、お部屋を見ると決して汚くはない普通の団地の一室。(汚部屋というほどではない、くらいの生活感)

お世話は追いついてないようで、ウンコがたくさん溜まっていた。

飼い主さんは弱々しい歩き方。


後で所有権で揉めないように、所有権放棄の一筆を書いてもらい、猫をキャリーに入れてもらう。


最初黒と茶トラと聞いてたけど2匹とも黒の兄妹。

最初シニアと聞いてたのに3才。

耳カットあり。(誰かがTNRした子を拾ったのかな?)

拾った時は癌ではなかったらしい。


仲介を通すと情報がテキトーになっちゃう。

ちゃんと病院に行って、ワクチンと検査はしてあった。


飼い主は、顔を見ただけでもう永くはないのがすぐわかる容貌だった。

泣きながら猫たちにお別れを言っていた。

余命1ヶ月なので、猫がなんとかなったら即施設に移動するそう。

これ以上は個人情報のこともあり、教えてくれなかったしあえて聞かなかった。



仲介の福祉担当者に、正直飼い主に腹が立つことだけは伝えた。ペット不可の団地で後見人なく後期高齢者が若い猫を迎え入れることは、癌にならなくてもどう転んでもうまくいかない。

猫が早死にしなければ、どうやっても飼育放棄される。


福祉の人にそれを止める権限はない。

それはわかるのだけど、踏み留まるように指導してほしい…




我が家に着いた2匹

移動したらしばらくパニック状態だった。

一人暮らしで2匹のお家から、大所帯に来るとそりゃあそうだね。


病院では野良猫のように暴れて診察できず。


ウチに来てからは、食べなくて困った。

元々ジャンクなものを食べていたようだけど、ジャンクもウェットも全然食べない。

緊張からくるものかと思い、薄暗くして数日してジャンクなら食べるようになった。



その後、人間の食べ物に興味ありすぎることに気がついた。

もらってたんだろうなぁ。



老人の放棄猫あるある

甘やかされまくり、食べ物が無茶苦茶


ジャンクフードを主食にしてたり、唐揚げ食べたりしてることが多い。

幸い、落ち着いてみたらちゃんと甘えるようになりました。(病院はパニックだけど)






飼い主さんはその後、別のルートから亡くなったことを聞きました。

猫を受け取って半月後のことでした。

安心したことでお迎えが早くなってしまったのではという気持ちもあります。


合掌