鋒山丕(ほこやまはじめ)のメンタルトレーニング -1315ページ目

スピードスケート長距離のメンタルトレーニング

スピードスケートで長距離と言うと、男子では
5,000メートルと10,000メートルです。
女子では3,000メートルと5,000メートルです。

当然、短距離とは全く違った滑りになります。
陸上の短距離とマラソンの違いのように。

メンタルトレーニングの方法も専門のところではかなり違います。
短距離では、スタート命でスタートの一瞬のイメージやコーナーのイメージ
ラストの追い込みのイメージが大切になります。

長距離では、いかに安定した早いラップを刻むか
力まず最後まで体力を保たせて滑り通すイメージが大切です。

メンタルトレーニング
写真は当時の専修大学でのメンタルトレーニング風景です。


専修大学には、長距離でも多くの優れた選手がいて
オリンピックにも黒岩宗久選手、佐藤和広選手、糸川敏彦選手
白幡圭史選手が出ていますし今回はOBの出島茂幸選手が選ばれています。

みんな良い成績を残してくれましたが
長距離は身長差などのため日本人にはちょっとハンディがあるようです。

今日は、ソルトレイクシティーで日本人最高の
4位に入った白幡圭史選手にスポットを当てましょう。

彼のイメージ力は抜群でした。
夏の室内の練習の時でも、自分の意思で目の前を
冬のスケートリンクにしてしまいました。
普通の選手はイメージをする時、目を閉じて集中しますが
彼は目を開けていてもイメージが見えました。

ここで言うイメージとは、メンタルトレーニングで使う言葉で
「本当のように視覚的に見える映像」のことです。
その映像を使って、本当の試合の前に予め何度もイメージで
レースをしておくことをメンタルリハーサルと言います。

その白幡圭史選手がソルトレイクシティーの
レースが終わった直後にメールをくれました。
皆様にも私が説明するよりわかりやすいと思いますので、紹介しましょう。

白幡です。
いろいろと、応援ありがとうございました。
おかげさまで、10,000mで4位になることができました。
日本記録とメダルにはもう少しでしたが
自分のイメージ通りのスケーティングができました。
かなり、レース前のリラクゼーションと、カームダウン
メンタルアローザルが役に立ちました。
目に見えない部分ですが、継続が実をむすびました。
特に10,000mともなると集中力が途切れがちになるんですが
最後まで集中して滑りぬくことができました。
この集中力もイメージトレーニングの成果だと思っています。
本当にありがとうございました。
会社の皆さんにも感謝の気持ちと
心からのお礼をお伝えください。



これを読んで頂ければ、説明の必要も無いくらいです。
メンタルトレーニングをして行くに当たって必要な
継続させることの大切さ、他の人への思いやりの気持ち
謙虚さを感じて頂けると思います。

今後も白幡圭史選手のような素晴らしい
人がどんどん出てくるように祈ります。

短距離では、昨日紹介した選手の他に
銅メダルを取った堀井学選手や藤本祐司選手も
オリンピックに選ばれた仲間です。

バンクーバーでもみんなメダルを目指して頑張って欲しいと思います。

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スピードスケートのメンタルトレーニング

黒岩彰選手が銅メダルを勝ち取った
カルガリーオリンピックにさかのぼりましょう。
日本で、メンタルトレーニングが初めて活用されたオリンピックだったからです。

今回の選手団を率いる橋本聖子団長もその一員でした。

私が一緒にメンタルトレーニングをしていた専修大学からは
黒岩彰選手の他に、浜谷公宏選手、金浜康光選手
黒岩康志選手、黒岩宗久選手の実に5名の選手が代表に選ばれました。

専修大学では、練習の前に必ずメンタルトレーニングをしてもらいました。
監督の前嶋孝先生が全て任せて下さいました。

自己コントロールやイメージを使ったメンタルトレーニングを約5分間
その時の自分の感じたことをノートに書き留めるのに
10分位の時間を毎日続けてくれました。
以前に、メンタルトレーニングで一番大切なことは
続けることだと言いましたが、まさにそれを実践してくれました。

その結果、男子代表の9名の内半分以上の5名が選ばれました。
当時の部員は15名だったと思います。
これは世界的にも凄いことだそうです。
勿論、選手の身体能力、技術練習の努力もありますが
メンタルトレーニングの威力をお分かり頂けると思います。

メンタルトレーニングは辛い練習も
楽しい練習に変えてくれる魔力があります。
身体能力も引き上げてくれます。

オリンピックのような大きな試合では、メンタルリハーサル
(頭の中でイメージを見て実際に試合を何度も経験しておくトレーニング)を
試合の朝起きた時からの自分の行動をイメージして行きます。
そして、一番のメインは、スタートラインに立った時です。

黒岩彰選手はカルガリーでスタートラインに立った時
「ああ、今までイメージで見てきた光景と全く同じだ」と思ったそうです。
実際にスタートはドンピシャ。
本人も納得の最高の滑りが出来ました。

今回のバンクーバーでも優秀な選手がたくさん選ばれました。
いずれにしても、短距離では100分の1秒を争うレースになるでしょう。
この時、メンタルトレーニングの威力が発揮されることは間違いありません。

明日は、長距離のレースのお話をしましょう。

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頑張れ!里谷多英 頑張れ!上村愛子

上村愛子
写真は当時のモーグルチームのメンタルトレーニングの様子です。

私が全日本スキー連盟からフリースタイルスキーの
トレーニングドクターを委嘱されたのが平成10年でした。

里谷多英選手と上村愛子選手の二人に
最初に会ったのは北海道の合宿の時でした。
その時、すでに活躍していた選手が10年以上経った今でも
トップの現役選手で、しかもオリンピックの代表になっていることは
素晴らしいの一言です。
二人には、特に頑張ってメダルをゲットして欲しいと思います。

里谷多英選手はメンタルアローザルに入るのが非常にうまい選手です。
長野オリンピックでは金メダル、ソルトレイクシティーでは
銅メダルと活躍しました。
今回も、腰痛のためにオリンピック前の試合に出られず
ぶっつけ本番ですが、彼女ならそれでも
メダル獲得の可能性が期待されます。
それほど、メンタルアローザルとは凄いものです。
本番のスタート前には、メンタルアローザルに入って
120%の力を出して欲しい!
皆様も、スタート前に彼女からオーラが出ているか見て下さい。

上村愛子選手は今、一番メダルに近い選手です。
昨年の安定度は最高でした。
世界王者ですから。
昨年の試合の映像では自信に充ちていました。
うまく集中さえすれば良い結果間違いなしでしょう。
2年前の7月1日に西武ドームでの始球式に来てくれた時に会って
「気」を入れたんですよ。
「気合」を込めてそれを降ろしてスタートすれば敵はナシです。

スキー競技もイメージ力が非常に大切な競技です。

他のモーグルチームの皆さんも頑張って下さい。

オリンピック当日は、メンタルリハーサルを入念にして
スピードに打ち勝ちメダルをゲットしよう!

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