鋒山丕(ほこやまはじめ)のメンタルトレーニング -1316ページ目

日本人力士は朝青龍関の「気」の使い方を学べ

朝青龍関が引退しました。
長い間ご苦労様でした。

思えば、異国から若くして来日。
短期間で日本の国技、大相撲で最高位を極めました。
尊敬すべき凄い力士です。

だいぶ前に、大相撲の力士3名にメンタルトレーニングを教えていました。
全員幕下以下でしたが、その効果はかなりのものでした。
ある力士は、当時は横綱・千代の富士くらいしかやっていなかった
ウエイトトレーニングを自ら始めました。
部屋の事情で結局1年くらいで終わってしまいましたが
異口同音に「本割りでは、けいこの時の半分くらいしか力が出せない」
と言っていました。

格闘技のプレッシャーは格別です。
殺されるわけではありませんが、恐怖感が大きなプッレッシャーです。
これは、私がアメリカに留学していた時に
大学のレスリング部でレギュラーだったので良く分かります。
大晦日に吉田秀彦選手と対戦した石井慧選手の動きを思い出して下さい。
他の競技と全く違った感覚のプレッシャーを全身に受けます。

朝青龍関の凄いところは、その自分にかかるプレッシャーを封印して
相手にぶつけてしまうことです。
それは、「気」の使い方がうまいからです。
「気」とは誰でも持っている体のエネルギーです。
「気」を入れて、それを丹田に降ろしてこそ
自分のエネルギーを十分にプレイに集中させることが出来るのです。
これはメンタルトレーニングで集中的に行わせますが
簡単なようで難しいテクニックです。
朝青龍関が「時間です」の声に「気」を入れる姿をイメージして下さい。
入れた「気」を立ち会いではうまく降ろしています。

今の、日本人力士を見ると「気」を
うまく使っている力士は誰一人としていないようです。
高見盛関は「気」を入れるのは派手にやるので人気がありますが
降ろすテクニックはもう少し。
これでは大相撲の人気は戻らないでしょう。
土俵に上がった時から気合負けでは、格闘技では勝負になりません。
相撲に限らず日本男子はもっと元気を出して行きましょう。

朝青龍関は「気」の使い方は最高でしたが
残念ながら上り詰めた人が手に入れなければいけない
「謙虚さ」が無かったことです。
「謙虚」は「安定」と教えています。
朝青龍関に「謙虚さ」があればこんな早い引退は無かったでしょう。
だれでも自分に自信が出ると天狗になりがちです。
それを諭すのが大相撲では親方とおかみさんでしょう。
本人には分かりにくいことです。
親方も頑張って!

どんなスポーツでも同じです。
私が教えていた埼玉西武ライオンズには天狗になる選手はいませんでした。
天狗になった時から身の破滅は始まると思って下さい。
強い人には「謙虚」が一番。
白鵬関は大丈夫でしょう。

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メンタルトレーニングとバイオリズム

みなさんもバイオリズムは知ってますよね。

1930年代にドイツ人が発見しました。
誕生日を基準にして人は、身体、感情、知性の
好不調のリズムを持って毎日生活していると言う理論です。

いまだに、航空会社やタクシー会社などで使用されています。
スポーツ界でもコンディショニングや怪我の予防に
使われているケースが多いようです。

日本のフィギュアスケート陣の、バンクーバーオリンピックの
試合の時のバイオリズムを見てみましょう。

リズム的に一番良いのは、小塚崇彦選手です。
感情リズムはあまり良くありませんが
イライラしたりしなければ最高の演技が出来るでしょう。
高橋大輔選手も良いようです。
知性のリズムがあまり良くないので、ポカにさえ気を付ければオーケーです。
織田信成選手は身体、感情が低調で、SPの日は知性の要注意日です。
やはりポカには要注意です。
安藤美姫選手も知性が低調です。
知性は演技には影響が少ないのでポカにさえ気を付ければ大丈夫。
鈴木明子選手も身体、知性のリズムが低調ですが全体的には普通でしょう。
浅田真央選手は、身体、感情は最高です。
気になる、キム・ヨナ選手ですが、SPの日はあまり良くありません。
フリーの日はとても良いリズムです。

バイオリズムは、あくまでも本人の中の好不調ですから
絶対的なものではありません。
強い人は強いのですが、例えば、身体のリズムが悪い日は
何となく体にキレが無いとか、疲れやすい。
感情のリズムが悪い日は、イライラするとか、落ち着きが無い。
知性のリズムが悪い日はポカをする、サインミスをするなどです。

幸い、誰もスランプ期の人はいません。
プロ野球のように長いシーズンの競技では
1カ月近くに及ぶスランプ期の過ごし方がたいせつです。
これは、またの機会にお話しましょう。

オリンピックのようなプレッシャーがかかる競技では
このような管理も大切になります。
例えば、身体リズムが悪い日は、練習は控えめに休息を十分にとる。
感情リズムが悪いときは、十分なリラックセーションを行い
カームダウンを行う。
知性リズムが悪いときは、メンタルリハーサルを
いつもより入念にすると言う感じです。

このような情報を持って、オリンピックを見るのも楽しさ倍増になります。

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イチローのメンタルはなぜ凄いか

イチロー選手は誰にも出来ない凄い記録を毎年続けています。

なぜ、そんなことが出来るのでしょうか。
それは、メンタルトレーニングで最も基本となることを常々
毎日行っているからだと思います。
良いと思ったことを毎日の生活の中でルーティンにしていると聞いています。

残念ながら、イチロー選手とは面識がありません。
しかし、色々な情報や試合での映像から次のようなことが明らかになります。

第一に、素晴らしい身体能力があってこその記録ですが
それを管理して行くメンタル面の強さは人並みではないようです。

メンタルトレーニングで一番大切なのは、良いことを毎日続けることです。
皆さんそれをやっていますか。
簡単なようでなかなか出来ません。
続けることによって、1年経てば他の人とは大きな差になります。
2年目は更に差が広がります。
5年経ったらどうでしょう。

伸びない選手は途中で止めてしまったり、自分に甘くなったりしてしまいます。
メンタルトレーニングでも、始めるのですが
すぐに飽きてしまい続かなくなります。
これでは、全く効果は期待出来ません。

チームだと環境も大切です。
フロント、監督、コーチが協力的ですとチーム全体の受け入れ体制が確立され
効果が予想以上に出て来ます。
選手も安心して取り組めます。

しかし、無関心ならまだ良いのですが、フロント、監督、コーチに
批判的な人が一人でもいるとチームとしての効果は期待出来ません。

とにかく、皆様も良いことを毎日の日課にしましょう。
そして悪いことは、一日の生活から排除しましょう。
10年経ったら、メンタル面でも健康面でもその差は歴然ですよ。

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