La Campanella | 関嶋 梢オフィシャルブログ 「Stop N Go! 傘を持つのも面倒くさい」

関嶋 梢オフィシャルブログ 「Stop N Go! 傘を持つのも面倒くさい」

気象予報士・関嶋 梢のブログ
カリフォルニアから日本に戻りました。最近は傘を持ち歩くのがすっかり面倒になってしまいました。ところ変われど相変わらず一生懸命"のろのろ運転"しています!

彼女について
「リストを弾くために生まれた」
とは本当によく言ったものだ、
と昨夜は
心の底から納得…


私の長年の夢が、
ここサンフランシスコで
ついに一つ叶ったのだーー!


丸い背中で
ピアノの淵に手を添えながら
ゆっくりゆっくり時間をかけて登場した
Ms. Fuzjko Hemming 

その後の迫力のある演奏を
この時どうやったら
想像できただろうか。



彼女といえば、の代表曲
「ラ・カンパネラ」は
聴いているうちに
“とても繊細で高価な美しい刺繍”
のイメージが浮かんだ。

優しく繊細でありつつ
正確で迷いのないタッチは
ひと針ごとに丁寧に刺された
上質な刺繍のようだった。

彼女がどれだけ大切に
想いを持ってその曲を弾いてきたか、
胸にダイレクトに伝わってきた。

本当に素晴らしい演奏だった。


他にも
「ノクターン Op. 9 No. 1」とか
「愛の夢」の演奏も好きだったのだけど、
もう一つ私にとって特別だったのは
「トルコ行進曲」の演奏。

私は、年少から高校入学まで
ピアノを習っていて、
トルコ行進曲は
第1楽章から第3楽章まで
好きでよく弾いていた。

その曲が、彼女のピアノから流れてきた。


いまだに楽譜が思い浮かぶあの曲が、
こんな風に、
こんなにドラマチックに
美しい流れとなるんだ…っと
夢中で聴いた。

あの頃の自分と
フジ子・ヘミングさんが
今ここで出会ったような
不思議な感覚。


あぁ、音楽っていいな。


アメリカはクラシックコンサートでも
基本的には年齢制限を
設けていない場合が多いそうで、
今回は子供達も一緒に。

もちろん全て自己責任。

わが家の場合、
もう大丈夫と判断がついたので
4人分の席を確保。

音色とともに
空間をまるで漂っているかのように
聴いていた子供達ニヤリニヤリ


この夜の素晴らしい演奏を
子供達と共有できて
それも、本当に嬉しかった!


君たち素晴らしいオーディエンスだったよ!