でも僕はサントラ盤ってあまり好きじゃないんです。あくまで映画が主で音楽は従、劇音楽ですから挿入曲がブツ切れで入っていたり、同じ主題の変奏が何度も繰り返されたり、どうもおもしろくありません。とはいえ、中にはいいものもあります。ジャズだとマイルズの『死刑台のエレベーター』とかロリンズの『アルフィー』とかは有名ですね。
以下、棚から出して昨日気ままに聴いたレコードをちょっと紹介しておきましょう。
カタラーニの『ワリー』なんてオペラはこの映画で初めて知りました。黒人の「ディーバ」ウィルヘルメニア・フェルナンデスなんて人も初見。黒人の女性歌手は今でこそ珍しくありませんが、この映画を観た80年代前半だとジェシー・ノーマン、キャスリーン・バトル、少し古いところでレオンタイン・プライス、大体その辺りしかいませんでした。そうそう、ジャズ・トランペッターのブッカー・リトル、彼のお姉さんヴェラ・リトルもオペラ歌手で、主役級ではありませんが、メトロポリタン歌劇場で活躍してたとのこと。R・シュトラウスの『ダフネ』の古い独グラモフォン盤(ベーム指揮ウィーン響)などで聴けます。
これはもう説明不要ですよね。映画の冒頭、タージ・マハル作のA1に一発で魅了されました。スティーブ・クロッパー、ダック・ダン、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、ジェイムズ・ブラウン……これ、かつて何の予備知識もなしに三鷹の小さな映画館で観たんですが、次から次へと大スターが出てくるので面食らった覚えがあります。観終わってすぐに渋谷のタワレコへサントラ盤買いに行きました。
タージ・マハルつながりでライ・クーダー。僕的には数あるサントラ盤の中でこれが1番、ではないにしてもかなり上位に来ます。映画を観なくても音楽として素晴らしいんですが、ご覧になったことのない方は映画も観て欲しいなあ。主演のハリー・ディーン・スタントンは70年代、B級アクションや西部劇にしょっちゅう出てました。渋いの一言。A4で歌も披露しています。子役のハンター・カーソンは前にもこのブログで触れましたが女優カレン・ブラックの息子です。ナスターシャ・キンスキー、美しかったですね。
何と言っても『気狂いピエロ』のアンナ・カリーナが歌う「私の生命線」「いつまでも愛するとは言わなかった」の2曲が入ってますから、そのたった5分のために購入。アンナ・カリーナにつきましては以前の記事にも書きましたので、よろしければそちらもご覧ください。
今日はエビ中、特に情報はなさそうですね。