『LIVE』現場のスクールカースト | まっつのブログって名前、氾濫しすぎだろ‼

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中身の無いブログにはしたくない、というか言いたい事無きゃ文章なんて書かないですよねー。音楽の話が中心ですが、後々仮面ライダーの話もするかも。

まっつ「先週、久々にライヴに行ってきました」

司会者「ああ、日本工学院のミュージックカレッジの学生さんが主催したイベントでしたっけ」

まっつ「そうそう、赤い公園とSEBASTIAN Xとパスピエの3組が出演するイベントに行ってきた訳です。3組ともライヴでは初見だったんですが良いイベントでした。このライヴの会場が横浜BLITZだったんだけど、これからどんどん活躍していくであろうミュージシャンを、これからその歴史を終えようとしているハコで観るのは中々感慨深いものがありますな。チケットを譲ってくれたレジーさんに感謝ですよこれは」

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司会者「良いライヴでしたか」

まっつ「いやー、赤い公園超いいね」

司会者「トリを務めてましたね」

まっつ「うん。前2組がシラけ気味なのがかなり気になったけどね。赤い公園はトリっていうポジションの性質抜きにしてもすごかった。1曲目の『のぞき穴』でそれまで様子見てただけの人達もセンターに雪崩れ込んでたよ。その直前にボーカルの佐藤さんが『かかって来いやぁ‼』ってシャウトした瞬間からもうそれまでの流れがチャラになった感じあるね」

司会者「そういう『感情が爆発する瞬間』を見るのは良いものですよね」

まっつ「こちらも見てて気持ちいいよねその瞬間って。ただまあ、いい事ばかりで無かったのも事実で。今回はそういう気になった部分をわざわざクローズアップしていこうかなと思います。まあ気になった部分の発端についてはライヴ当日の夜にもうツイートしてるんですが」

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司会者「『シャウト系』ってなんだ」

まっつ「まあ、かなり突っ込み所の多い一言である事は置いといて、この言葉聞いた時本当に思った、『え、じゃあわざわざこのイベント来なくて良いじゃん‼』って」

司会者「パスピエはトップバッターでしたね。と言うか本当に『やだー』とまで言ってたんですか」

まっつ「言ってた言ってた。今回のイベントは日本工学院主催だから工学院の学生さんもたくさんいたし、その一人かなぁと思うんですが。『なんでこういうイベントに出るアーティストってみんなポップでキャッチーなのばっかなんだろ』みたいな事も友達と話していた様な気が」

司会者「『こういう』って何を指しているのか分かりませんが、いずれにせよ肯定出来るリアクションではないですね」

まっつ「その学生さんの友達がスタッフか何かやっていた様な感じだったので、単なる友達付き合いで来てる感じがあったけど。まあそういう人には来て欲しくないなってのが本音ではあるんですが。なんなんだろうね、『どのミュージシャンが出るから行く』より『友達が行くから僕/私も行く』の比重が増えてる気がするんだよなぁ最近ライヴに来てる若い人達って。僕自身は、ライヴハウスって一人になって音楽と向き合う空間だと思ってるんだけど」

司会者「それはあなたに友達がいないだけでは」

まっつ「そういう事言うなって」

司会者「しかしそれを抜きにしても、所謂『音もだち』同士による『内輪ノリ』というか、ライヴ会場での盛り上がり方にムラがあるケースは最近特に多く見受けられる様な感じありますね」

まっつ「うーん、内輪ノリ自体はいつでも往々にしてあったものだと思うけど、それがSNSきっかけで顕在化したってだけの話だと思うよ」

司会者「それはどういう」

まっつ「いや、今ってTwitterやFacebookのお陰で同じ趣味を持つ人同士を簡単に見つけられるからクラスタができやすいじゃない」

司会者「小規模な集団の形成は容易になりましたよね」

まっつ「そう。で、その小集団で何度か同じミュージシャンのライヴに行く内に、そこだけで通用する『ノリ』みたいなものが生まれてくるんだよきっと」

司会者「オイオイコールだったり、今の文脈で言うと少し前に話題に上ったクリープハイプのファンによるTシャツ騒動がそれに顕著ですよね」

まっつ「まさに。で、その小集団の中だけで『この曲ではこう動く』みたいなルールが暗黙の内に出来上がってその通りに盛り上がって終了、って図式が出来上がってる。それが悪いとは言わないけど、SNSのお陰でそういう集団は作られやすくなったから、目立つ様にはなりますわな」

司会者「この辺りの話については先日KANA-BOONのボーカル、谷口鮪さんがブログでも言及してましたね。少し抜粋しましょうか」


仲の良いバンド友達ともよく話すことだけど
僕らじゃなくてもいいのかな?って。

楽しくて盛り上がれてなんだかわかんないけど発散できて
そんなバンドならどれでもいいのかなって。



音楽が飽和してるっていうのはCDが売れないとかそんなことじゃなくてそういうことじゃないかな
うまく書けないんだけども。

音楽で満足するのではなく、その音楽環境で満足してしまうというか。
Twitterなんかがもう当たり前のものになって同じものを好きな人が簡単に見つかるようになって、会場で生まれる仲間感というのもそれを礎としたものになってしまいがちだと思う

会場にいる人達が、同じ「リスナー」という連結感ではなく
「フォロー、フォロワー」みたいな連結感

その仲間内で「楽しむ」ということが完結して肝心のバンドとの共有がないような気がする。


まっつ「この文章は割と核心を突いてると思う。残念だけど。ここに加えてフェスなんかだと『音楽よりも、その場所の雰囲気を楽しむ』人の割合もより増えて、ライヴ中の『内輪ノリ』特有のアクションを真似して助長したり、もしくは意味もなく『うぇーいwww』でハイタッチ、ハグみたいなアクションを強要したりする輩が出てきたりするんだよね」

司会者「鎖国状態にあるクラスタとそこに便乗する付和雷同層が重なると、クラスタ内のルールを知らない人からしたらかなりやりづらいですよね」

まっつ「うん。絶対一人でライヴ行く人もいる筈だけど、そういう人が疎外感を感じてしまうのってすごく勿体無いなぁって思います。で、ライヴハウスで今良く起きているであろうこの状況って何かに似てるなぁって思った時に、少し前に読んだこんな本を思い出した」

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司会者「ああ、新宿の紀伊國屋書店で平積みされてるのを即買いしてましたねそう言えば」

まっつ「そうそう。この本って著者である鈴木さんが現役の大学1年生にインタビュー調査してそれまでの学校生活を振り返ってもらい、そこからスクールカーストについて分析した本なんだけど、その学生さんの内の一人の発言の中に今のライヴハウスの状況との共通点が見つけ出せそうなのでちょっとその部分抜き出します」

司会者「ここでは、アオイさんと言う学生さんが、『クラス内の上位に位置付けられるグループの生徒はある条件付きで、下位に位置付けられる生徒に「やる気」を求めている』と前置きした上での発言を抜粋します」


アオイ:(前略)(スクールカーストの上位に位置する様な)そういう子たちは、みんなにやる気を求めるんだけど、求めるくせに誰かがすごい出しゃばると、「おまえ調子のってんだろ」みたいな。結局、自分らが一番でいたいみたいな。(中略)だから何ていうんだろ、なんかとりあえず、自分に従って盛り上がれみたいな感じだと思う。(中略)自分のまったく権力のはたらかないところで調子に乗られると「あいつ調子のってんね」とか言ってくる。


まっつ「こういった状況が今のライヴハウスにも見て取れるなぁと感じました。SNSが普及してから強くなった風潮ではあると思うんだけど、『自分達のルールに従ってお前らもそれなりに盛り上がっとけ』という空気感は確かにあるなぁと」

司会者「ルールなんて細かく規定しなくていいのに、ファンが勝手にルールを作り上げて、それを暗に強要するかの様な雰囲気が出来上がっている、と」

まっつ「そう。今回のライヴでも比較的知名度の高い赤い公園とパスピエは内輪ノリが激しかった様に感じます。自由になりたくてライヴ行くんじゃないのかなみんな」

司会者「なるほど。どうです、何か物申したい事などあれば」

まっつ「うーん、僕は、見も知らぬ人達が集まって一つの音楽を共有する場所がライヴハウスだと思っている人間なので、それ以上に何かルールを作ったり一見さんを退ける様な事をするのは心底下らないなって感じます。今日も、zipで放送されていたらしいフェスガール特集について音小屋5期生のshokoさんとTwitterで話したけど、『出てる人についてはこれから勉強します』って答えてる人に『音楽知らないで来るんじゃねえ』みたいなdisをかましてるツイートを見かけたんだけど、そういう選民意識こそ、音楽好きになる人を減らす一番の要因なんだって気付けよって話ですよ」

司会者「事前知識無しでも楽しめるのがフェスですし、音楽を探っていく意欲のある人まで批判の対象にするのはお門違いですよね」

まっつ「shokoさんも仰ってたけど、『フェスと呼ばれる所以は音楽以外のところにあ』る訳で、別に音楽目的以外で来ても間違いじゃないしね。なんかそういうスクールカーストに酷似した環境が、そこから最も縁遠い存在であるべきライヴハウスで見受けられるのはひとえに悲しいので、まあ仲良くやりましょうよって話です」

司会者「自由に楽しむ為のライヴハウス、フェスであって欲しいですよね」

まっつ「本当にそう思います」

司会者「分かりました。今日はここでお開きでいいですかね」

まっつ「そうですね。次回どうしようかな、ここ最近のUVERworldの動向も気になるからちょっと喋りたいけど全然違う話題にするかも。まだ未定ですな」

司会者「なるべく早めの更新を期待しています」