ディスクレヴュー/FoZZtone『Reach to Mars』〜みんなもっと夢見ようぜ〜 | まっつのブログって名前、氾濫しすぎだろ‼

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中身の無いブログにはしたくない、というか言いたい事無きゃ文章なんて書かないですよねー。音楽の話が中心ですが、後々仮面ライダーの話もするかも。

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FoZZtone
Reach to Mars

2013.06.05発売 CD PECF-3050 ¥2,800(税込)

[Track List]
1:世界の始まりに
2:情熱は踵に咲く
3:Master of tie breaker
4:She said
5:Shangri-La
6:BABY CALL ME NOW
7:1983
8:ニューオーリンズ殺人事件
9:21st century rock’n roll star
10:Reach to Mars

はい、ようやっと始めようと思います一人レヴュー。というか対談形式が特殊なんですよね(笑)ただの感想にはならない様、でも身の丈に合った言葉で、好きなアルバムについてつらつら喋っていきます、多分。

インディーズに戻ってから3枚目のアルバム。事前に発表された曲はM1のみ(公式サイト内でのみ、別バージョンが期間限定で配信された。現在は配信終了)。前2枚が2枚組のコンセプチュアルなアルバムであったのに対して、今回は1枚10曲とそれまでに比べてかなりコンパクトだし、コンセプトは特にはないと本人達も言っているのだけど、ある種の世界観が取り払われたこのアルバム内の曲は『スケールが大きい』という点で共通している様に感じます。シンガロングを誘発するコーラス部分のある曲が多いのもその一因かも。M3なんて野球の歌だし、思いっきりスタジアム対応なのです。と言うか、タイトル曲であるM10なんて火星に行ってますしね(笑)。

先日、とある学園祭で催された対バンイベント(FoZZtoneが出演したものではないです)に参戦した時に感じたのは、学園祭ですからライヴ慣れしている方とそうでない方が混在した場所だったのですが、『暴れられる』か『歌が聞き取りやすく、それでいて直接的なメッセージがある』ミュージシャン以外のまあウケないことウケないこと。主にライヴ慣れしている方は前者の特徴を持ったミュージシャンに、そうでない方は後者に良く反応していた様に思います。あるダンスロックバンドのアクトの後、おそらくライヴ慣れしていない方だったのでしょう、僕の近くにいた女性が友人に向かって『もっと歌頑張った方が良いよ』と呟いているのを聞き、思わず「それだけじゃないだろ音楽って‼歌えるだけが音楽かよぉ‼」なんて選民意識の高い感情を抱いてしまいました。

そこから見るに、FoZZtoneというバンドには『暴れさせる』という前提を持った曲はほぼ皆無であるし、英語に寄せた若干クセのあるヴォーカル、情景描写が主の歌詞と、中々ライヴシーンにおいて一発で人を惹きつけるファクターが少ない様にも一見見えます。しかし前述した通り、彼らの曲のスケールの大きさは元から他の同世代のバンドより群を抜いており、本作ではコンセプトという縛りからも離れたからか、その傾向がより顕著です。肉体的、と言うべきでしょうか。70年代ハードロックや80年代の所謂商業ロックに代表される様な、ロックミュージックが市民権を獲得した時代の香りのする豪快で煌びやかなサウンドは、今の時代にも新鮮且つ『分かりやすい』格好良さとして響く‼と信じております。

白眉は前述したM3とM10。あ、ブギーの様な軽快なリズムが心地よいコンパクトな作りのM1も好きです。『ドームとかクソみたいじゃん音』と渡會さんはインタビューで話しているけれど、これはアリーナクラスで演らなきゃ真価を発揮出来ない曲が多すぎる。

このアルバムは、ロックバンドの格好良さ、そのロマンを提示するのに必要な要素を充分に備えています。メンバー自らが『自分達の好きな音楽を信じた』その結果が素晴らしくない訳がない。Gt竹尾さんの言う通り、「ホンマ音楽なんて夢しかないんですよ」。

あ、そう言えばさっきリンク貼ったナタリーのインタビューの中で、渡會さんが制作中「Perfumeを聴きたくなった」と話していましたが、M10の「心の中にはastronaut」の部分、PerfumeのDream Fighterのサビの「終わりのない旅をするのは~」のメロディラインと酷似している気がするのですがどうですかね。