前からよく、色んな演劇関係者によるワークショップの情報を耳にします。
自分も昨年は数回やりました。
各回とも楽しく、多くの人に集まって頂き、良い経験になりました。
ただ、今後はもうやる予定はありません。
ワークショップを受ける人は、何かを学びたかったり経験したかったり、得るものを期待して来ます。
その代金として受講料を払います。
色々経た現在、自分は誰かに何かを教え与えたいとは思えなくなりました。
「教える」という表現が上から目線に聞こえるかもしれませんが、実際にワークショップの参加者は講師に教わる意識で受講するので、こちらも責任を持って、その言葉から逃げるべきではないでしょう。
「教える立場になる事で、逆に教わる事もある」というような言葉は何万回も聞いた事がありますし、実際にそういった面はあります。
その点もメリットに加えてワークショップを開く人もいるでしょうが、参加者にとってみたら「じゃあそっちもこっちに受講料渡せや。そんでプラマイゼロや」となるんじゃないかしら。
などと思いを巡らしながら、やはりワークショップというものは自分には合わないなーという気持ちが膨らみました。
ザックリ言ってしまうと、直接の創作に繋がらない場で、自分の手法をさらして労力を費す事に抵抗が生まれたのです。
なので、俳優の養成所から講師をお願いされた際もお断りした事があります。
時間がもったいないと感じました。
誰かを育てる気はないし、だったら自分を育てたいです。
養成所も、最終的に舞台公演というゴールとかがあれば、自分の作品の発表にもなるのですが、とはいえそれは時間がかかり過ぎます。
観客も身内が多数を占め、あまり外に向けて広く発表されるという印象はありません。
俳優を目指す人は、小劇場でも何でも、都内で行われる一般的な舞台に参加して、本番に向けて集中稽古をした方が断然スキルは身に付くし短時間で済みます。
現実的に良い面も悪い面も体験するはずです。
いくら「為になる」「意味がある」と説かれても、自分の気持ちが乗らないならやるべきではないですね。