これからの(セシウムなどによる)食品汚染への対策はどうしたらよいか? | 久野 淳(くのじゅん)のブログ 歯科医師 栄養指導 栄養療法 オーソモレキュラー 糖質コントロール 食育 食の安全 栄養マニア 料理教室

久野 淳(くのじゅん)のブログ 歯科医師 栄養指導 栄養療法 オーソモレキュラー 糖質コントロール 食育 食の安全 栄養マニア 料理教室

街の歯医者さんをしながら複数のコメディカルの学校で講師をしたり、一般の方向けのセミナー活動をしています。栄養療法を日々の臨床に取り入れ、自身もゆるい糖質制限をしながら食育、食の安全に取り組んでいます。

いつも私のブログを読んで頂きありがとうございますラブ

 

前回のブログ『放射性物質(セシウム)を回避するためにはどんな食材を選べば良いのか?』の続きです!!

チェルノブイリ原発事故では、汚染された牛乳を摂取した子供が甲状腺がんを患うという悲しい健康被害を出しました。その反省として、以下の対策がとられています。これらは日本の土壌汚染についてもあてはまります。長期的な視点で一番問題になるのは、農作物と特に食肉のセシウム汚染です。

 

『半減期の短い放射性ヨウ素汚染の広がりを防ぐために』 
● 牛乳の放射線検査を徹底すること。

→ 牛乳のデータは本当に牛が食べている飼料でコロコロ変わる。


● (放射線検査に不合格の)牛乳は、チーズやバターに加工する。

→ チーズやバターの方が乳清(ホエイ)が抜けて、放射性物質の影響が減る。


● 家畜は放牧せずに屋内で汚染されていない飼料を与える。
→ 本来ならストレスを軽減するために外で放牧して大地に生えている牧草を食べた方が良いに決まっているが、皮肉にも屋内飼育で、純国産より外国産の飼料の方が放射性物質による汚染のリスクは減らせる。

 

 

『半減期の長い放射性セシウム汚染の広がりを防ぐために』
● 農産物、家畜、肉、牛乳は放射線検査を徹底する。(これが一番重要)

→ 抜き打ち検査ではなくて、本州だけではなくて、特に畜産が盛んな北海道ならばなおさら検査を徹底すること(国や自治体、メーカーが積極的にやるべき)。

 

● 牧草でなくトウモロコシ等(当然Non-GMO)を飼料を与える。
→ 皮肉にも日本では国内飼育の牧草牛(グラスフェッドビーフ)の安全性が揺らいできています。国産ならばできるだけ汚染された牧草ではなく、汚染されていない穀物飼料を沢山食べたグレインフェッドビーフの方がリスクが少ないと言えます。外国産のグラスフェッドビーフは逆に安全性が高い。

 

● 汚染された家畜の糞を肥料として利用しない。
→ 生体濃縮された家畜の糞を使い「有機栽培」された野菜がどれだけ危険なことか認識すること。無農薬有機野菜に大量に含まれている可能性がある硝酸態窒素のリスクと共に認識しておくこと。 

 

● キノコは摂取しない。(キノコは放射性物質や重金属類を蓄積しやすい。)

→ キノコの原木露地栽培における放射性セシウム汚染は深刻で、福島周辺や関東周辺におけるキノコ狩りや露地栽培のキノコ相当のセシウムなどの放射性物質が含まれていると認識すること。また、大きく分けてキノコの栽培方法には、「原木栽培」「菌床栽培」の二つがあり、どちらの栽培方法にしても、その土地の土に直接実るわけではなく、土台となる原木や菌床の原材料に放射能汚染されたものが使用されていると、産地に関わらず基準値を検出限界値を超えるキノコが出来上がることになることも知っておくこと。


キノコは先日のニュースでも実際に販売されていた「サクラシメジ」から基準値を大幅に上回るセシウムが検出されています。↓↓↓↓↓↓

野生キノコ「サクラシメジ」から基準値超える放射性物質・販売施設が自主回収 山形

 

● いま流行りのジビエや川魚も要注意。

→ これも皮肉なことだが、地域によってはうなぎ、ワカサギ、アユなどの魚が非常に危険。とくに産卵を控えて積極的に食べて活動している時期はリスクが高いと言われる。最近ではジビエブームで、鹿やイノシシや熊などの肉が珍重されており私も大好きであるが、地域によってはその動物たちが食べているモノが汚染されていて生体濃縮の危険性が否定できない。  

 

<重要なのは信頼のおけるデータを参考にすること>

以前は放射線量を自主検査する動きが盛んでしたが、最近ではその勢いはなくなり、実際に信頼性の高い測定機器を用いて誤差が少ない検体試料を作成して検査をしている民間の団体はごく僅かになってきています。実際のところ中途半端な測定機器では、正確な測定は難しそうです。少なくとも放射性物質を測定する機器についてはゲルマニウム半導体検出器を用いることは不可欠で、NAIシンチレーション検出器では確かなデータは得られないと考えた方が良いです。

 

またセシウムに比べ、ストロンチウムなどは結果が出るまで時間と莫大な費用がかかるため、定期的な測定ができるのはセシウムまでということになります。

 

このように計測に必要な手間や時間を考えると、スーパーや他のお店で販売されてる生鮮品の全ての種類のベクレル量を自主検査するのは不可能です。どんな地域の、どんな食材(野菜、果物、肉類、魚介類、海藻、乳製品など)に放射性物質が残留しているのか、またどんなものに生体濃縮の危険性があるかなど、真実を知ることでこれからの若い世代を守っていく手助けになると思います。

 

私がオススメする民間の測定機関はコチラ!

↓↓↓↓↓↓↓↓

『べぐれでねが』

https://beguredenega.com/

代表のさいとうたくやさんは、とても気さくで優しいおじさんで(おじさんと言っても僕より断然お若いです)


【引用&参考文献、HPなど】

『べぐれでねが』https://beguredenega.com/ 
・カリウムとセシウム―放射線対策で語られない関係―有田正規(生物工学 第90巻450-451)
・http://metabolomics.jp/wiki/Doc:Radiation(有田正規先生ウェブサイト)
・特定非営利活動法人 チェルノブイリ救援・中部 理事 河田 昌東さんのお話より
・排出放射性物質影響調査について HP

※ 画像はWebより引用