2016年7月2日

再掲



私には1つ上のお兄ちゃんがいて、


当然、幼稚園も小学校も中学校も、
私より1年先に、進学して行った。

永遠に縮まることのない1年の差を、
追い抜いて15年経った。



幼稚園に入園した時も、
小学校に入学した時も、
中学校に入学した時も、

1年前に、
既にお兄ちゃんが入園も入学してて、
私より先に学校に通っていた。



私は現在進行形の、
“お兄ちゃんが通っている”幼稚園に入り、
“お兄ちゃんが通っている”小学校に入り、
“お兄ちゃんが通っている”中学校に入った。


お兄ちゃんが既に通っている学校生活は、
学校の様子も手に取るように分かり、
“○○くんの妹”というポジションに、
私は最初から所属していた。




ちっとも不安はなかったし、
むしろ安心した。


背中を見て、
追ってれば良かったんだ。



高校に行く時に初めて気付いた。

私は初めて、追う背中のない、
“お兄ちゃんのいない学校”へ通う。


入学する前の
真っ白いスケジュール帳を見て、
なんだか怖くなった。




ああ、私、

お兄ちゃんに、守られてたんだ。



何か助けてもらったとか、
目に見えて何かがあったわけじゃない。




でも確実に、

見えない何かに守られていた。




私は思うんだ。

この世に第1子で生まれてきた、
お兄ちゃんやお姉ちゃんは、

なんて勇敢なんだろう、と。

(“勇敢な赤ちゃん”)




もうそれだけで、
あなたが“存在する”だけで、

誰かを守っている。


あなたに守られている、
子がいる。





誰もいない地に
突然放り出されても、

へっちゃらなんだから。

(本当は不安でいっぱい
かもしれないけど)





君は、スーパーヒーローだ。




第1子のお兄ちゃんお姉ちゃんに、

“もうちょっとしっかりしないかしら?”
“もうちょっと頼りになればいいのに”
“ほら、ぐずぐずしてないで”

なんて言いたくなる場面も
あるかもだけど、



ほんとは 



“いるだけ”で、

スーパーヒーローなんだ。




頑張ってるお兄ちゃん、
お姉ちゃんを、


ぎゅーって、

抱きしめてあげて。