二郎系でもチャッチャ系でもない背脂に遭遇――北海道らーめん熊源 | KEN筆.txt

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BGM:Radical TV『愛のソビエト』

 

「らーめん弁慶」紹介で触れた通り、背脂系ラーメンは主に“チャッチャ系”と“二郎系”に分類されるようです。弁慶やごっつラーメンのように網を使って背脂をラーメンのスープに振りかけるVer.と「アブラ」と呼ばれる背脂の固まりをラーメンや具とともに盛るタイプ。そのいずれにも属さぬ独自の背脂ラーメンに巡り合ったのは、数ヵ月前の下北沢でした。

その日、舞台を見たあと晩飯を食ってから帰るべえと街を歩いていたところ「北海道らーめん熊源」なるお店が目に入りました。このあたりはラーメン屋が多いのですが、CLUB QUEやその隣のファーストキッチンと道路をはさんだ並び(お肉たっぷりのステーキサンドで人気「STABLER」真向かい)にありながらまったく意識しておらず。ただ、久々に北海道の黄色い縮れ麺が食べたいという目論みで、その店をチョイスしたわけです。

 

入店する前まではスタンダードに味噌ラーメンを頼むつもりでいました。ところが、券売機を見ると「味噌背脂ラーメン」なるものがありました。へー、北海道(札幌)ラーメンでありながら背脂系って珍しいな。どっちも好きだから一石二鳥だね!ぐらいの気持ちでそれをセレクト。

チャッチャ系かな、それとも二郎系かな…と期待しながら待っていると、丼が目の前へ…えっ! 何これ!? この長方形のモノがもしや…。

 



確かに背脂が乗っています。でもそれはチャッチャ系よりも、そして固まりを乗せる二郎系よりもさらに固形感に満ち溢れたものでした。あたかも揚げる前のハッシュドポテトのようなヴィジュアル…これ、全部がアブラなの?

ここから崩してスープに溶かすなり、あるいは麺や具と一緒に食べるなりするのですが、見た目はハードコアだけど思ったほどギタギタではなく(ギタり度で言ったら二郎の方が上)チャーシューやメンマと同じ一つの独立した具として胃へ納められました。にしても、こういう出し方があったとは。

 



また、このお店はテーブル上にあるセルフトッピングが豊富すぎでして。おろし生姜、マー油、海老すりごま、一味、マヨネーズ、ラー油、おろしにんにく、揚げたまねぎ、揚げにんにく、酢、しょうゆがYMOのアルバム『増殖』のジャケットのようにドヤドヤと並んでおります。なので、一度の食事で(かけ合わせを含めると)おびただしい回数の味変が可能です。自分は揚げにんにくとマー油しか使わなかったけれど。

というわけで、チャッチャ系にも二郎系にも飽きてきたのに相変わらず背脂は求めてしまうという方、新境地を開拓するべくこのお店にいってみては? 市ヶ谷店もあるそうです。