83.賢人からのメッセージ④ | babyを亡くしたママのブログ

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09年8月3日息子は天使になりました。

病名は・・先天性心疾患『総肺静脈環流異常症』2ヶ月と17日一緒に生きた幸せを大切にして前を向いて明るく笑顔で生きていきます。1人でも多くの方に勇気&元気をプレゼント出来るようにブログをスタート♪

『賢人君本当に頑張っていますね。』
執刀医や看護婦、看護師さんは驚き誉めてくれた。1度目の入院でお世話になった新生児室の看護婦さんも交代でICUにお見舞いに来てくれた。手作りの可愛いカエルのカードに優しいメッセージを書いてくれてベッドに貼ってくれた。『賢ちゃんお兄ちゃんになったね~大きくなったね!』涙を目にいっぱい溜めて話し掛けてくれた。
私を思い切り抱き締めてくれた。『ママ大丈夫だから。賢ちゃん元気で強くて賢い子だから絶対元気になるから!』
日々回復が確認出来た1度目の入院を思い出した。幸せだった。毎日賢人を看病するのが楽しみだった。
今は違う。見えないゴールに向かい彷徨っている。賢人自身もどうしようもない自分の体と向き合い悩んでいたと思う。
しかし…夕方になっても数値は良い状態をキープしている。不思議だった。今まで痰などを吸引した後は恐ろしいほど下がり続けた血圧やサチュレーションも高い数値をキープしている。
賢人は負けていない。立ち向かっている。家族の元に帰りたい一心で闘っているのだ。
『賢人君の数値は安定しています。ご家族はずっと泊まり込んでいるので少し休んでください。人間は何か判断しなければいけない時に疲労が蓄積している状態だと適切な判断が出来なくなります。今日はゆっくりお風呂に浸かりリラックスして休んでください。ご家族が倒れたら賢人君を支える心強い力が弱くなります。』執刀医は私達家族をいつも心配してくれた。そういえば…執刀医は賢人が入院してから一度も休んでいない。
きっとこういう生活が続いているのだと思う。厳しい医療現場の実態を知った。
私達家族は今夜だけ家に戻る事にした。
執刀医の言葉が賢人からのメッセージに聞こえた。数値を確認して安心出来た。安心…久々に感じた。張り詰めていた緊張感の中で何度も厳しい状況を乗り越えた。
もうこれで賢人は回復方向に向かうと信じていた。
『ご家族の強い思いが私達にも伝わり賢人君の頑張りに鳥肌がたちます。とても緊張します。』看護婦さんはウルウルしながら言った。
『賢人!今日は帰るからね。でもすぐ近くの大婆ちゃまの家にいるから安心してね。大丈夫だからね。ママの心は賢人のそばにいるからね。』私は賢人に伝えた。家族も数値を確認しそれぞれが安心していた。
しかし私だけは病室を出る時、血圧70台だった事に気が付き不安を感じていた。病院を出たのは夜9時…2時間後容態は急変する。