84.愛する賢人の最期 | babyを亡くしたママのブログ

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09年8月3日息子は天使になりました。

病名は・・先天性心疾患『総肺静脈環流異常症』2ヶ月と17日一緒に生きた幸せを大切にして前を向いて明るく笑顔で生きていきます。1人でも多くの方に勇気&元気をプレゼント出来るようにブログをスタート♪

祖母宅に到着。
本来であれば両親も祖母宅に泊まるはずなのにその日は妹夫婦と同様に自宅へ戻った。
これも賢人がそういう流れにしたのだと思う。
祖母が夕食を用意してくれていた。久々に家庭で食べる温かい食事。
ゆっくりお風呂にも入り髪を乾かしながら祖母に『賢人安定しているから安心してね』と話していた。
これから祖母と3人でゆっくり寝よう…とした時、主人の携帯電話が鳴り響いた。
私はとっさに日本赤十字医療センターだと察知した。
『はい…そうですか。わかりました。すぐに向かいます。』私は主人の電話が終わる前、無意識に服を着ていた。冷静だった。『賢人の血圧が下がり続けてるみたいだ。』主人が言った。
『わかった。』私はその一言を口にするのが精一杯だった。
『どうして…どうして』祖母は泣いている。
『おばあちゃん、大丈夫だから。賢人は強いから。必ず電話するから心配しないでね。私は大丈夫だから。』
祖父の仏壇に手を合わせ主人とタクシーに乗り込んだ。
すぐに父に電話した。
運転に感情が入ると危険なので冷静に話しをした『お父さん、賢人の状態があまり良くないんだ。もう家に着いた?』
『今、家に着いたところだよ。すぐ向かうから待っていなさい。お姉ちゃんしっかりするんだよ。大丈夫だからね』
両親は到着したばかりの自宅から日本赤十字医療センターに向かう事になった。
涙が止まらない。あんなに安定していたのに…。一緒にいてあげれば良かった…。私が家に戻ったから…。後悔ばかり。
賢人…ママを置いていかないで。ママは何も出来ていない。賢人逝ってはダメだよ。ママは絶対離さない。
明治神宮を過ぎた辺りで突然物凄い力で腕を掴まれた。でもとても小さな手だという事ははっきり覚えている。
主人は横を向いていたので私の腕を掴む事なんて出来ない。
『今私の腕掴んだ?』『掴んでいないよ』
質問しながらも主人でない事はちゃんと分かっていた。
賢人だった。私ははっきりあの感覚を覚えている。賢人を抱っこすると可愛い柔らかい小さな手で私の腕をギュッと掴んでいた。生まれた時から怖い思いばかりしていたから私に抱っこされていると安心で掴んでいたのだと思う。
母親だから分かる。『賢人だ…賢人が今ここにいた』私は主人に伝えた。『賢人は病院で闘っているからここにいたらダメだよ』その時間を確認した。23時05分過ぎだった。同じ時間に人工マッサージがスタートしたことを後から知った。