瞑想を行うと、「βエンドルフィン
やセロトニンの分泌量が増える」、「コルチゾール
の分泌量が減る」、「脳波がアルファ波やシータ波になる」といったことが起こります。
その結果
・潜在意識の力を活用出来るようになる
・頭の回転が早くなる
・創造力が増す
・集中力が増す
・ストレスを感じにくくなる
といった恩恵を得ることが出来ます。
瞑想の効果は科学的に実証されつつあるので、アメリカでは、社員の作業効率を上げたり、ストレスを軽減するために、社員への瞑想指導を取り入れている企業が増えているようです。
瞑想には
・観察する瞑想
・イメージする瞑想
・集中する瞑想
など様々な種類がありますが、今回は釈迦が悟りを開いたといわれる観察瞑想の一つ、「ヴィパッサナー瞑想」を紹介します。
-ヴィパッサナー瞑想とは-
ヴィパッサナーとは「ありのままを観察する」という意味で、自分の動作、思考、感覚などをあるがままに観察する瞑想です。
ヴィパッサナー瞑想が能力(脳力)の開発に繋がることは科学的に証明されていています。
瞑想の熟練者になると、脳波にシータ波が見られます。脳波にシータが見られる時、右脳と左脳が統合され、潜在意識はフルに活用することが出来るようになり、頭が冴え渡ってあらゆる問題の解決法が瞬時に浮かんでくるようになると言われています。
ヴィパッサナー瞑想を行うと一時的な心の安定や、集中力、幸福感が得られるだけではなく、頭が良くなる、怒りっぽい性格や落ち込みやすい性格が改善される、といった根本的な部分を改善する効果が得られます。
-瞑想のやり方-
ヴィパッサナー瞑想は、何かの作業をしながらでも出来る便利な瞑想です。もちろん家で集中して行っても構いません。
-家での瞑想-
家の静かな部屋を選んで目をつぶって座ります。座り方は正座でもあぐらでもイスを使っても構いませんが、背筋をピンと伸ばすようにしましょう。背骨が真っ直ぐに伸びていることが、脳の奥を開くのにとても重要です。
背筋をピンと伸ばした姿勢で、一番楽に座れる座り方を選べば良いでしょう。僕はあぐらをかいて座っていると腰が痛くなるので正座でしています。腰が痛くなる人は正座、膝が痛くなる人はあぐらをかいてやるのが良いと思います。
背筋を伸ばして座ったら、腹式呼吸で深い呼吸を行います。吐くときはお腹をへこませ、しっかりと息を吐ききり、吸うときはお腹が大きく膨らむぐらいに吸います。そして、膨らんだり縮んだりするお腹を観察します。
可能な限りお腹の膨らみ、縮み、膨らみ、縮み・・・・・・の繰り返しを観察するのに集中し、他のことを考えないようにしましょう。
「膨らむ、縮む、膨らむ、縮む・・・・・・」となるべく集中して観察を続けようとしても、昔の思い出、失敗して恥をかいたこと、怒られたこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、それから今後の不安や将来の夢など色々なことが頭の中に浮かんでくると思いますが、その頭の中で浮かんだことは気づいた時点で観察し、またお腹の膨らみ縮みの観察に戻ります。
昔の失敗を思い出していたなら、気付いた時点で「さっき、昔の失敗を思い出していたな」と観察し、再びお腹の「膨らむ、縮む・・・」を観察。
次は将来の夢について考えてしまったなら、また気付いた時点で「さっき、将来の夢について考えていたな」と観察し、再びお腹の膨らみ縮みの観察に戻る・・・というのを繰り返します。
慣れてくると、余計なことを考えている時間が減り、お腹の膨らみ、縮みを観察している時間が増えます。
何分間やりましょうという時間の決まりはありませんので、5分~1時間ぐらいで好きなだけやれば良いです。
意欲がある人、リラックス状態が続く人は1時間ぐらいやって、5分くらいで疲れてきてリラックス出来なくなる人は5分くらいで辞めれば良いです。僕は始め5分程度でしたが、今は30分ぐらいやっています。
-活動中に瞑想-
活動中のヴィパッサナー瞑想は、動作の観察を行います。
例えば、ご飯を食べる時だと、「お箸を持つ、ご飯を掴む、口に運ぶ、噛む」といった動作を心の中で確認し、歩く時は「右足を運ぶ、地面を蹴る、左足を運ぶ、地面を蹴る」という動きを観察、荷物を運ぶ時は「荷物を持つ、運ぶ、降ろす」という動作を観察します。
心の中で動作の実況生中継をするという感じで、動作を観察し、心の中で言葉にすると良いでしょう。
歩くときだと、「右、左、右、左・・・」と自分の足の動きに合わせて心の中で実況中継します。
荷物を運ぶ作業をする時だと、「荷物を持ちました」「荷物を運びます、右、左、右、左・・・・・・」「荷物を降ろします」「次の荷物を持ちます」と心の中で実況中継します。
また、活動中に湧いてきた感情も観察しましょう。
文句を言われて腹が立った時、前かがみになった女性の谷間が見えそうになった時、上司に怒られて落ち込んだ時、色んな場面で色んな感情が湧いてくると思いますが、その時に
「今、私は腹を立てている」
「今、私はムラムラしている」
「今、私は落ち込んでいる」
といった具合に感情を観察します。
「腹が立つ~」「ムラムラする~」ではなく、「腹を立てている」「ムラムラしている」と冷静に観察者の立場を取ることがポイントです。
湧き出る感情を無理に押さえ込む必要はありません。
ありのままに湧いてきた感情を観察していれば、怒りや煩悩の感情は自然に治まります。
容器にラベルをペタペタ貼る作業のように、ただ「腹を立てている」「ムラムラしている」といった感情のラベルを心の中でペタペタ貼るだけでいいのです。
これが活動中のヴィパッサナー瞑想です。
・今この瞬間を生きる
ヴィパッサナー瞑想をしていると「思考を失くす」ことが出来ます。
実は「思考」というのは、何かを成し遂げるのに役に立つことよりも、足を引っ張っていることの方が圧倒的に多いのです。
脳がフルに活用されているのは一生懸命何かを考えている時ではなく、無我夢中で何かに取り組んでいる時です。
何らかの作業中に「今日の晩御飯どうしようかな」、「昨日は○○さんとケンカしたから気まずいな」、「仕事が終わったらデートだ、楽しみだな」などなど・・・過去や未来のことを考えながら作業をすると、脳がフルに力を出し切れず、作業効率が落ちます。
ヴィパッサナー瞑想はこのような余計な思考を排除するために行う瞑想です。
歩く時だと「右足を運ぶ、地面を蹴る、左足を運ぶ、地面を蹴る」と観察することで、歩くことのみに全神経を集中させることができ、荷物を運ぶ時だと「荷物を持つ、運ぶ、降ろす」と観察して荷物運びに集中できます。
観察を行っている限り「今日の晩御飯どうしようかな?」「デート楽しみだな」といった過去や未来の余計な思考が浮かんでくることはありません。
過去も未来もまったく気にせず、今のこの瞬間のみに集中出来るというのがヴィパッサナー瞑想で得られる効果です。
僕はヴィパッサナー瞑想をしながら作業することで、今まで1時間以上かかっていた作業を45分くらいで出来るようになりました。
怒りっぽい人、落ち込みやすい人、集中力がない人などは特にヴィパッサナー瞑想の効果を実感しやすいです。瞑想を続けていると余計な感情に振り回されず作業に没頭できるようになります。
-まとめ-
・瞑想をすれば潜在能力が開かれ、ストレスも減る。
・自分の動作、思考、感情などを確認し観察するのがヴィパッサナー瞑想のやり方である。
・家で瞑想する時は余計なことが頭に浮かばないように、なるべくお腹の膨らみ、縮みに集中する。
・活動中は動作の実況中継を心の中で行い、感情のラベルをペタペタ貼る。
・ヴィパッサナー瞑想をすると余計な思考が排除され、今、この瞬間を生きることが出来る。
家でも、外でも、他の作業をしている時にでも出来るのがヴィパッサナー瞑想の最大のメリットです。なので、是非生活の中で取り入れてみて下さい。
<関連記事>
自己啓発 ブログランキングへ