■最も韓国的な“親子愛「ヒーローズ」”である『ムービング』!≧∇≦)〃♪ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

「私たちはモンスターにもヒーローにもなることができる」

 

 

●「デスゲーム」も「ゾンビ」も「ヒーロー」も親子!

 

今日はとてもひさしぶりに韓国のドラマをお勧めしようと思います。とっても懐かしい感じのラブコメでありながら、アベンジャーズ的な超能力ヒーローものでもあり、かつ何よりもそこに重い南北分断と戦争の現実を深刻に描いた傑作ドラマ『ムービング』ですね!ヾ(≧∇≦)〃♪

 

いろいろ見方があると思うのですが、日韓文化比較のいちおうの専門家としていわせていただきますと、南北分断の現実はさておき、この作品の最も韓国的な特筆ポイントというのは、これは一言で“親子愛『ヒーローズ』”なのだということになります。(*´ヮ`)/

 

2006年に米国ドラマ『HEROES/ヒーローズ』という傑作があって、ある者は空を飛び、ある者は不死身の肉体となり、ある者は未来を予知し、ある者は時空を曲げるなどの超能力を発揮する若者たちの話だったわけですが、まさにそのジャンルに、「親から子への超能力の遺伝」という要素を一つ加えて、韓国的な父と娘、母と息子、父と息子の親子愛ものにしてしまったというものです。

 

その結果が、「Disney+(ディズニープラス)」オリジナルドラマとして、昨年夏の公開当時、すべてのOTTコンテンツの中で全世界第1位に輝いて、結果、昨年1年のトータルにおいてもアジア発のコンテンツの1位だったということですね。これは、これ以前にもあった、Netflix世界総合ランキング1位連続46日を達成した『イカ・ゲーム』や、同じく連続15日を達成した『今、私たちの学校は…』に続くパターンだといえます。

 

すなわち、本来、個人の死の恐怖と友情、恋愛などの「他人」同士のサバイバルである「デスゲーム」コンテンツに、親のため、家族のためにゲームに参加して命を懸けるという家族要素を加味したのが『イカ・ゲーム』だったのであり、日本の映画『がっこうぐらし!』にそっくりの学園サバイバル「ゾンビ」コンテンツでありながら、ゾンビの発生原因が、息子を愛したマッドサイエンティストの父の愛だったという設定に加えて、子供のためにゾンビと闘ってゾンビになっていく主人公たちの親の愛を描いてクライマックスとしたのが『今、私たちの学校は…』だったのと同じであるわけです。

 

 

●韓国独自の親子相続ヒーロー・クロニクル!

 

今回はまさに、まさかの父と娘、母と息子、父と息子の遺伝超能力コンビものであったわけですね。しかも親たちが異常に子供の安全に命を懸けていて、これは超過保護な、いわゆる「モンスターペアレント」たちなのかと思いきや、全20話のうちの第8話からは、時間が過去に戻って、その親たちの生きてきた壮絶な人生のほうが描かれることによって、彼らが自らの子供に対してそうせざるを得なかった事情も分かってくるようになります。

 

もちろん、子供はやがて自らの力で親から自立していかなければならないわけですが、その親たちが闘ったのは南北の国家分断と戦争の現実であり、その困難の中から勝ち取ってきた平和と幸福という現実でこそあるわけです。それを受けて、今や子供たちが親を乗り越えて自立するのだということは、まさに子供ら自らもその現実を背負って平和と幸福を勝ち取れるようにならなければならないということになるわけです。

 

実際、8話以降を見れば、このドラマの主人公は、すっかりそうだと信じていた子供たちのほうではなくて、実は親たちのほうであったのだという事実に気づきます。そのうえで、15話以降にまた現在の話に戻れば、その親たちの現実を背景にした子供たちがあまりにも幼く小さく見えるのに、はたしてこの子らはこの恐ろしい現実を親から引き継いで乗り越えられるようになるのかということに不安ばかりが感じられます。

 

ところが、この話はそれ以降を、親と子が力を合わせながら現実に立ち向かい、互いを思いやる心で一つひとつ能力を子供に相続させていく過程を通して、最終的に子供のほうに時代が移っていく姿を見せていくわけです。そして、それを可能にする原動力は、やはり韓国の親に独特の「子供を守るためならこの世界のすべてを敵に回しても構わない」という文字どおりの“モンスター”なペアレントぶりであるわけですよね。この世界が本当にものすごいし、かっこよすぎるし、胸が熱くなるし、涙せざるを得ない感動の超絶アクションとなっています。

 

何よりも8~14話の過去エピソードで、この国の現在をつくり上げた親の人生の歴史があまりにも英雄的で格好いいがゆえに、その親が「自分の悲惨な人生を子供にだけは味わわせたくない」という気持ちも分けるけれど、しかし、子供たちはその親の愛が分かった上で、しかし、その英雄(ヒーロー)的人生を引き継ぐことを、“頼もしく”自ら選択して願っていくという親子ヒーロー・クロニクルとして、これはやっぱり韓国独自の傑作だなあと思いましたね!♪ヽ(´▽`)/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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