ここをクリックすればPDFのリンクです。
これは某オフセット同人誌に掲載された金平との完全合作作品である。
これは説明しないと解りにくいかもしれない。というのが、同人誌に二人の作品が掲載された。しかし編集部の手違いで、ページがミックスされて掲載されてしまった。
なんとかスレスレな感じで話が繋がっていき、最後は融合して終わる。という実験漫画である。
昔はこういう事を思いついては「うおー、俺たちスゲー」と燃え上がっていたのである。
これは二人の漫画活動も終盤の頃である。制作は私の部屋だったと思う。
見ても分かる通り、金平とは画力の差が相当ついてしまった。こっちが胸を借りる感じで出来上がったものである。
私の部屋で鉛筆で簡単なラフを描いて互いにページを付け合せ、せーので作り始めたような記憶がある。
ハムサラダくんや、まんが道で培った物を、照れくさがらずに実際に二人でやり遂げてみよう。そんな想いもあったかもしれない。
丁度、同人誌の締切も迫ってきていた。そうだ、この作品にはボツった原型作品があったのだ。
「まちがえた編集」という短編である。これは色んなジャンルの漫画が編集の手違いでバラバラに製本され、それでも奇跡的に話が破綻なく繋がっていく、という構想のもので、例えば「おぉ、カトリーヌ」と少女漫画タッチの男爵がページの最後で告白したら、次のページのコマの先頭が「今、拙者を呼んだのは、そなたでござるか?」みたいな時代劇タッチの漫画が来る。みたいな感じの作品である。
当然、大ぶろしきな構想に負けてしまい、シックリくるオチが見当たらず放棄した作品であり、その弔い合戦みたいな感じで取り組んだのであった。
金平です
この作品は「お互いが絵を入れる」という意味での合作としては
最初で最後の作品である。
私がその昔「コミックビーム」という雑誌で短編の連載を
させてもらっていた時のプチ実験作みたいなものの発想の原点が
多分、この作品である。
(※ビーム連載当時のアイデアも半分以上が呉エイジのアイデア)
基本的に私は発想力が全く無いので、絵を頑張るしかなかった。
それが、結果的に呉エイジにコンプレックスを抱かせる原因になったようで
上の呉エイジの文章にも、やはり二人の「画力の差」みたいなことが書かれている。
ただ、これはヤツに何十回言っても聞く耳をもたないのだが
漫画、特にギャグ漫画に必要なのは画力ではない。
むしろ、中途半端な画力はギャグ殺しでもある。
当時、お互いがそれに気付いていれば、私も笑いの才能が無いのに
無理をしてギャグ漫画を描いたり
ヤツも画力にコンプレックスを感じて筆を折ることもなかったのに・・・
ーといったことを思い出させる24年前の作品が、この「最悪の日&LUCKY DAY」である。