自分に出来る事 | MINA NOMOTO BLOG

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渋谷と原宿の中間地点で美容師、ときどきヘアメイクの日常をつらつらと。

今のお店で美容師としてお仕事させて頂く事になってから、営業後たまに自閉症の子のカットをさせて頂いてます。

今まで直接自閉症の方と関わった事がなかったし知識も無かったので、最初は正直戸惑いました。
想いを汲み取れなかったり
何を感じてくれてるのか通じ合えなかったりしました。

でも年月を重ねて、今では挨拶もしてくれるし、何よりカット中とても嬉しそうにしてくれます。名前も覚えてくれました。

最初は触られる事にもお互い少し緊張していたのに
今日はカット中に私のズボンに着いた髪の毛を払ってきれいにしてくれました。

切り終わって鏡で後ろ姿を見てもらって『オッケーですかー?』
と聞くと、両手でオッケーサインを作って
『オッケー!』と笑顔で言ってくれます。

少しずつ、少しずつ信頼関係を築けているみたいでとても嬉しかったです。


自閉症の症状は本当にたくさん個人差があるようで決めつけられないですが
自分の中でのルールがきちんとある方が多いように思います。
相手の大事にしてるものを大事にして、結果こうするというところが合っていれば
こちらがそれに寄り添って進めていけば何も問題も起こらないし
私がする事は他のお客様となんにも変わりません。


ただやっぱり少しパニックになってしまう時もあります。

先日もそんな時がありました。


その時、お姉ちゃんが落ち着くのを待っている間、私は妹の11歳の女の子のカットをしてました。
(この子は自閉症ではないです。)
その子が突然
『いつもご迷惑おかけしてすみません』
と言いました。



すごくびっくりしました。



すぐに
『なんで?ぜーんぜん大丈夫だよー!お姉ちゃん、ちょっとびっくりしちゃったんじゃない?』
と、明るく言いましたが


11歳の女の子にこんな事言わせてしまった…と思ったら
一瞬すごく落ち込みました。


でも笑顔で返したらその妹ちゃんはすごく安心してくれたようで、
自分の夢を私に教えてくれました。

『あのね、私ね、国際医療団に入るか薬剤師になりたいんだ。』
と。少し恥ずかしそうに。


理由を聞いたら
『世界中に感染症で苦しんでる人がいるから、その人達を助けたいの。でも難しいかもしれないから
薬剤師になれば病気で苦しんでる友達に、お薬渡せるでしょ?

前に職業体験でこのお仕事知って、これだー!って思ったんだ!』

との事。

『◯◯ちゃんは誰かの役に立てるお仕事がしたいんだね』

と返したら

『そんなすごい事は自分には出来ないかもしれないけど、でも自分がなってみたいだけ!』

と言っていました。



あんまり当てはまる言葉が見つかりませんが、たまらない気持ちになりました。

『自分がなってみたいだけ』と照れ臭そうに言い切れるその子がとてもキラキラしてました。

『誰かの役にたつ』という事が『すごい事』と当然のように思っているこの子は、本当に素敵だなと思いました。



誰かの為にってやってたらただの押し付けになってしまうし、見返りだって求めちゃう時があるかもしれません。
為になったかどうかなんて相手が感じる事だから
自分じゃ分かりません。


私のしてる事が誰かの役にたってるのかは分かりませんが
自閉症の女の子と『オッケー!』と笑顔で通じ合えたり
転勤しても通って頂けたり
『またお仕事ご一緒しましょう』と声をかけて頂いたり
髪型を変えて表情をがらっと変えてすっきりしてくれたり

笑顔でお店のドアを開けて
笑顔で帰って頂いたり


私がやりたい!と思ったこのお仕事で
(本当にまだまだ未熟なところだらけで気付かないところで嫌な想いをさせてしまってる方もたくさんいるとは思います。)
こうやって反応が返ってくるのはとても幸せな事です。



『自分のやりたい事』が『自分に出来る事』になったら本当に素敵だなと思います。


その為にも色んな事を成長させられるよう、日々積み重ねていきたいなと改めて思いました。11歳の女の子に色々気付かせてもらいました。
ありがとうございました。







長くなりましたが最後に
私は自閉症について特に知識がある訳ではありません。
私がカットさせて頂いている方と接して、私が勝手に感じた事なので
間違った見解、不快にさせてしまう文章がありましたら申し訳ございません。