日本人の度量の小型化 | 真実は人を幸福にするか?

真実は人を幸福にするか?

桑田義雄が、うかんだり、もぐったりするブログ

半世紀生きて来て感じるのは、日本人が小さくなったなと感じます。

背丈ではありません。

心です。

 

プライベートでも、仕事でも、日本人は細かな事ばかりを気にして生きるようになったなと感じます。
細かなルールや制約を他人に課し、自分にも求められている。
世の中のいたるところに地雷が埋まっていて、それを踏まないように生きている。
が故に、メンタルの弱い人は引きこもってしまう。
なぜ、こんなに、全員がビクビクして生きなければならなくなったのか?
その原因について考えてみたいと思います。


《日本人の度量が小さくなった原因》


1.企業モラルが厳しく求められるようになった。

私の生まれた頃は高度成長期で、工業中心でした。イケイケドンドンでしたから、公害も多発しておりました。ですから、まず、環境への配慮が強く求められるようになりました。

2.バブル崩壊による労使パワーの逆転

経済成長期は、こんな主旨の歌がありました。
著作権上、正確には掲載できません。

「サラリーマンは気楽な稼業だ。二日酔いであっても、寝ぼけていたとしても、タイムカードさえ押せば、どうにかなるもんさ」

これは完全に労働者優位だから成立する話です。しかも当時は入社したら正社員が当たり前で、契約社員のほうが珍しく、契約社員のほうが賃金が高かった。

ところが、バブル崩壊以降、倒産が相次ぎましたので、労働者が余り、労使の立場が逆転します。なかなか就職が決まりませんし、働いていても、
「お前の代りなんて、いくらでもいるんだぞ!」
と言われるようになりました。
これにより、労働者は過剰に経営者の顔色を伺うようになりました。


3.日本経済低迷による競争の激化。

その後、韓国、中国、東南アジアと言う、後進国が技術力を付けて来ます。
そうしますと、日本は世界を相手に競争しければならなくなった。そこで、より安い値段で、より良い製品を作る必要が出て来た。その為に経営効率と品質管理が強く求められるようになった。


4.セクハラ、パワハラ、モラハラなる言葉の出現

バブル期までは、こんな言葉は存在しませんでしたから、セクハラもパワハラもモラハラも普通に、どこにでもありました。
ですが、これらの言葉が生み出されて以降、これらの行為が戒められるようになりました。
しかし、「相手がセクハラと感じたらセクハラである」と言う、いわば、基準が曖昧である為に、互いに、あまり関わらないような対人関係が職場内で生まれるようになりました。


5.ジェンダー問題

戦後、男女の平等化と言うものがどんどん推進されるようになったのですが、先程の話と同じで、どこまでを「女性差別」と言うのかが明確ではない。
例えば、国会議員は男女同じ数居なければ不平等だと言う人もいれば、立候補する権利も、投票する権利も男女平等になっているのだから、女性議員が少ないと言う事自体を女性差別と言うのはおかしい、と言う意見もあります。
女性の中でさえ、意見が別れている。
ならば、男にしてみれば、どこまでが女性差別なのか、理解のしようが無い。
もちろん、わかりやすい女性差別というものは、行ってはならない事は、当然、分かる。
ですが、女性の中ですら「そこまでは女性差別とは言えないのでは?」と言う声が上がるものさえ、「女性差別だ!」と言って男性を叩きにかかる女性も存在します。
これによって、「女と言うものと関わりたくない」と言う男が増えて来ており、これも少子化問題の一因になっているのではないかと邪推します。

今日、「性の多様化」と言うのが主張されて来ており、さらに問題は複雑になって来ております。


6.これらの問題により、人が萎縮化した世代以降の人が社会の中核世代となって来ている

「金の無いやつはオレの所に来い。オレも無いけど心配するな」という歌が流行るくらいに、破天荒な時代があったのですが、それを知らない、社会が萎縮した時代に生まれ育った世代が、社会の中核世代になって来ています。
恐らく、彼らの多くは「度量が大きい」「度量が小さい」と言う事も理解出来ない。

以前であれば、部下がミスをしたら上司がかばって、自分がペナルティーを受ける、くらいな人も居たのです。
それが度量の大きさです。
戦国時代では、部下が裏切って去って行き、その後に、後悔して帰って来たら、お咎めなしで、再び召し抱える武将もいたのです。
それが度量です。
もちろん、許してはならない不祥事や悪事もあります。
しかし、人ゆえにやってしまった失敗というものもあります。
こうしたものについては、本人が反省しているのであれば、片目をつぶって、重大事としては扱わない、と言うのが普通に日本社会ではありました。
ところが、そういう度量と言いますか、人間学の分からない日本人が大量に増えてしまいました。
ついでに申しますと、ユーモアのセンスが無い人も増えて来ました。
失敗を笑いに出来ない。
そういう芸当が出来ないのです。

  《度量を大きくするには》

この先も、世の中に細かなルールが増えて行くでしょう。
こうなりますと、「社会に出るのが面倒」「人と関わるのが面倒」となり、引きこもる人が増えて行くでしょう。

私自身も、時々思います。
「こんなに小さい人間ばかりが住む世界で生きていたくない」と。
正直、今の社会に、あきれ果てています。
失望しています。
しかし、考えてみれば、それこそ私自身に度量が無い証拠。
本当に度量のある人間は、度量の無い人間をも受け容れて、成長させるものなのでしょう。
そこで、考えてみました。
どうしたら、度量と言うものが大きくなるのかを。

簡単に二つにまとめました。


1.歴史やドラマから学ぶ

歴史やドラマには、必ず度量の大きな「大人物」と言うものが存在します。
例えば、歴史で言えば、上杉謙信です。
徳川家康も、天下を取るべくして取った大人物だと思います。
テレビドラマでも、身を挺して部下を守る上司が、良く登場します。
実社会では少ないからこそ、ドラマで描かれます。
自分も、こうした「度量の大きな人間」を真似をして、振る舞う。
これが最も最短距離です。
人間、誰しも自分がかわいいですが、自分が犠牲になっても、守るべき人を守った時、保身で生きる以上の幸福感を得られます。
部下の首を敵に差し出して、命乞いするような大将は、誰からも信頼されませんし、幸せも味わえません。


2.腹を斬る勇気を持つ

この不況の時代に、会社をクビになれば再就職は厳しいです。
しかし、会社のルールを無視しても、人道上、必要と思うならば、ルールを踏み外す事も必要です。
何でもかんでも「決まりですから」と言って、融通を効かせない人間って、何が楽しくて生きているのかと思ってしまいます。
仕事と言うのは、基本的につまらないものです。
ですが、それは、つまらないながらも、「自分に出来る事」です。
例えば、震災が起きた。道路が分断された。運転手は喉が渇き、腹も減っている。
そういう時、その道路脇にパン屋があって、自分はそこの従業員だった。
店長は休みで、連絡もとれない。
ならば、クビ覚悟で、独断で、パンと飲み物を運転手さんに分けよう。
こう考えるのか度量であり、かつ、人としての喜びです。
自分の仕事はつまらない。
でも、それが自分に出来る事であり、それをやる事で、人を喜ばせる事が出来る。助ける事が出来る。
ルールだけを考えて、仕事をしていたら、本当につまらないです。
ルールを外したらリスクはある。
でも、リスクはあっても、それを断行する意味があるなら、やるべきです。
大丈夫です。
天は見ています。
それで解雇されても、必ず、次の仕事は見つかります。
ただし、黙って解雇を受け容れてはなりません。
必ず、抗弁して下さい。それを録音し、もし、争いになったら、証拠として活用して下さい。
会社のルールに背いても、人としてのルールに従ったのですから、簡単に引き下がってはなりません。
人としてのルールは会社のルールに勝るという事を、それに気づいた一人一人が、世の中に訴えて行かねばならないのです。
国会でも、「党議拘束」という民主主義に逆行したクソルールは禁止にしたほうがいい。
これが国会がまともに機能しない、諸悪の根源です。


  《結 論》

私は、経済成長期のおおらかな時代を見て、さらに、バブル崩壊後の不自由な時代も見ました。
両方の時代を経験していると言う点で、世の中が一番、良く見えている世代だと思います。
その私の結論としては、

「思った通りにやれ」

です。
「セクハラ」「パワハラ」「モラハラ」「ジェンダー」「コンプライアンス」
色々ありますが、いちいち気にしていたら、生きていられません。
他人の顔色を見ず、空気を読まず、思った通りにやって、人とぶつかる時は、思いっきりぶつかってひるまない。
ただし、組織や法律に頼らずに口喧嘩をする。
人としてのあり方の話をしているのですから。
何の後ろ盾も、仲間も頼らず、法律も頼らず、我が身の誇りを以て、我が身を守る。
※ただし、解雇うんぬんになったら法律を使って下さい。
「セクハラ」「モラハラ」「ジェンダー」
そんなの知らん。
自分で「やると人として恥ずかしい」と思うような事は行わず、「やらないと人として恥ずかしい」と思う事はやる。
それだけを基準に生きて行く。
俺は俺が正しいと思う道を行く。
それが人として間違っていれば、謝る。
人として間違っていなければ、絶対に謝らない。
「誤解させてしまったならば、お詫びします」なんて絶対に言わない。
誤解する人はするし、しない人はしない。
誤解を解く時間とエネルギーは、誤解しなかった人の為に使わせていただく。
それだけです。

 

 

↓以上の内容を増量して動画化しています。

 

 

 


◎掲示板「大梵天寺」お気軽にお茶を飲みに来て下さい。    
 (住職は4個入りチーズの小型化に怒っています!)
 http://daibontenji.bbs.fc2.com

 ◎Twitterアカウント   
 (リツイート歓迎)
 https://twitter.com/kuwatayoshio

◎メール
 kuwatayoshio あっとまーく gmail.com