子どもの頃、毎日家の食卓に並ぶ肉や魚などが、
生き物だということにある日、気付かされた。
人間と同じように、魚も牛も豚も鳥も、
命があって意思がある生き物ということ。
子どもというものは純粋で、
小さいながらに命をいただく罪悪感を覚え、
その時、「野菜ばっかり食べよう。」と決意した。
しかし母からとんでもない言葉が飛び出す。
「葉っぱも生きているよ。」
は、はっぱもいきてる…？
意味が分からなかった。まだ幼かったチーさんは錯乱した。
声を出したり、動いたりしないのに…？
野菜も、フルーツも、お米も、生きているということを
この時初めて知った。衝撃だった。
じゃあ私は何を食べたらいいんだ？
なにも命を殺さずに済むにはどうしたらいいんだ？
あくる日もあくる日も、
【生きていない食べ物】が何かを一生懸命考えた。
そして私はある結論に辿り着いた。
殺生することなく、食べれるものを。
誰にも問うことはなく、自分に問いかけた。
きのこは生きてる？
知らなかった、きのこまで生き物だなんて。
何を食べたら、誰も死ななくて済むの…？
子どものチーさんはまた考えた。
そしてもうひとつ、答えを見出した。
わかめは？(海藻類)
あいつも、生きてた…。
まるで生き物には見えないけど、あいつも生きてるんだって…。
あああ、神様、私は誰かの命を食べないことには
生きてはいけないんですね……。
しかし子どものチーさんは、気付いたのです。
どれも、【地面から生えている】ことに。
野菜も、果物のなる木も、きのこも、わかめも。
みんな地面から生えている。
地面から生えていないものが、きっと生きていないものだ！
それからまた一生懸命考えました。
そしてついに、自分でも納得のいく答えを見つけ出したのです。
こんにゃく。
こいつが地面から生えているのを見たことがないし、
どの方向から見ても、生きているようには見えなかった。
この答えには自信があった。
満を持して母に尋ねた。
「こんにゃくってなに？」
「こんにゃくはおいもからできているよ。」
い、生きてた…。
こいつも生きてた。
なんてことを思い出した今日この頃でございます。
このかつてないほどの膨大な前ふりは、
大人になったチーさんが植物が
生きていることに改めて直面したからであります。
ずっと夢だった。
アプリコット色の砂漠を見るのが。
こうやっていえば聞こえがいいけど
砂漠は本当に夢だった。
ふらりのふたりとは一旦ここで解散して
ひとしくんとチーさんは別のメンバーと合計５人で砂漠へ。
ひとしくん、いい写真いっぱい撮ってね。
ただただ、美しかった。
砂漠なんて、日本にいた時は興味もなかった。
モンゴルで初めてゴビ砂漠に行って
エジプトの白砂漠を見て、砂漠が大好きになった。
このナミブ砂漠は、今まで見た砂漠の中で、どこよりも。
言葉に出来ない。ただただ、美しかった。
砂漠の真ん中にぽっかり空いた白い穴。
デッドフレイ。
昔沼地だったここの水が干上がって、
枯れた木がそのままここに立ってる。900年も前から。
900年か…。
夕日に染まるとアプリコットの色がより一層強くなる。
雲はピンク色になる。
きれいだ。
本当は、ちょっといろいろあって、ここに来るのを諦めてた。
その節は、お騒がせいたしました。(Facebookより)
でもね、ひとしくんと出会って、ふらりと出会って、
ここに来ることが出来たんだ。
また、ひとしくんっていう男が、
いつも私を気にかけてくれて感動を共有してくれる。
キレイな景色を、やさしい言葉にして私にくれる。
その心が嬉しかった。
夕日がきれいだってことも、星がきれいだってことも
生まれて初めて肉眼で見た人工衛星も
壮大な砂漠に心奮い立つ気持ちも全部言葉にして私にくれた。
ありがとう。
やっぱり、「何を見るか」じゃない。
「誰と見るか。」なんだ。
ひとしくんと見てきた景色は本当にどれも美しかった。
南米でも、ひとしくんといろんな景色を見たいなあ。
ナミビアが最高の旅になったよ。
チーさんは今日も元気です。
前フリ、時間かけたは良いけど、
枯れた木は、生きてないね…。
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