4種のアガーでコーヒーゼリーの作り比べ | 型にはまったお菓子なお茶の時間

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主に日々のお茶のお供を記録しているブログです。
レシピの配合はあくまでも「個人的な作りやすさ」と「私好みの味に合わせたもの」になっていますので、レシピそのものよりも、作業する際の理由やポイント自体がお役に立てましたら嬉しく思います!

夏によく食べるアガーを使ったスイーツ。

暑くなり始めるこの時期、近年は伊那食品のイナアガーA、またはイナアガーLを購入しているのですが、

 


 


今回は仕上がりの違いを比べてみたくて別のメーカーのものも3種類取り寄せました。


ただ先のイナアガーでいえばAとLは原料の海藻が違ってFは冷凍可能など、他のメーカーのものも同じシリーズの中で用途や原料の違う姉妹品が存在します。

またたくさんのメーカーからアガーが販売されていて、それぞれ添加率の目安も違ってきます。


今回は今手元にあるイナアガーL・クリアガー・パールアガー8・ゼリアガーの4種類の比較です。





【アガーとは】

アガーは海藻やマメ科の種子の抽出物が原料のゲル化剤。

寒天と同じように常温で固まり始めますが、食感はゼラチンと寒天の中間といった仕上がりです。

アガーは予め砂糖と混ぜておき、水に加えたら混ぜながらしっかり加熱溶解する(煮溶かす)のが失敗しないポイントです。


使用量の目安はメーカーによって2〜4%前後ですが、溶かす推奨時間の目安も1〜5分と幅広く、それぞれ柔らかさも違ってきます。



【目的】

このブログではよくアガーを使ったレシピを載せますが、その際30秒から〜1分ほど煮立てると記載しています。

ただ先日ゼリアガーの商品ページで、5分の加熱溶解が推奨されている説明を見かけたため、いつものレシピがどのアガーにも当てはまるのかどうかが疑問になり、それを調べるため比較することにしました。



【条件】

今回はこちらのページのアガーを使用したコーヒーゼリーの作り方で比較しました。

使用したアガーの種類や商品説明にかかわらず、溶解時間は記載通りです。






【結果】


まずどのアガーでもコーヒーゼリーが完成しました。

せっかくなので食感なども比較することに。





冷蔵庫から出してすぐに型から抜き、室温で30分後の状態↓



■ゼリアガー

・柔らかく口あたりなめらか

・大きく揺れる

・離水しやすい(室温に長時間出すと形が崩れやすい)


■パールアガー

・柔らかく口あたりなめらか

・大きく揺れる

・離水しやすい(室温に長時間出すと形が崩れやすい)

 

■クリアガー

・弾力があり、揺れにくい

・一番離水しにくく弾力が保たれた


■イナアガー

・歯切れがよい

・弾力はクリアガーより弱く、ゼリアガーやパールアガーよりも強め

・離水はするが比較的型くずれしにくい



【補足】

・ゼリアガーは、本来は80度で5分ほどの加熱が推奨されています。

・ゲル化剤は酸に弱く、割合によっては固まりませんが、クリアガーは酸の強い果汁などもしっかり固められるとの記載あり。

・アガーは離水しないとされることがありますが、種類によります。



【感想】


いつものレシピで作ることができないアガーはなかったので、その点は安心しました。

柔らかさや弾力はそれぞれ微妙に違いましたが、いつも使っているイナアガーLは食感や弾力が中間だったこともあり、これまでブログに記載したレシピに特に注釈をいれる必要はなさそうです。


(必要に応じてアガーの量を微調整することでやわらかさは調整できます。その場合弾力や離水率などは変わります。)

 

今後は、例えばふるふるとしたやわらかいゼリーを作りたい場合はゼリアガーやパールアガーを使ったり、酸味のあるフルーツを使いたい時や大きな型でしっかり形を出したい時はクリアガーを使おう、などと目的に合わせて選ぶ際の参考にできそうなので、実際に作り比べた甲斐がありました。