きょうの太陽から 2013年12月29日 | すずきふみよしの「星の音を聴く」

すずきふみよしの「星の音を聴く」

読むこととはすなわち聴くこと。耳を傾けること。
ホロスコープから「聴いた」ものを、そして感じとったものを、日々丹念に言葉にしていきます。

サビアンシンボルは
山羊座7度「神の力にかられて、ヴェールをかぶった預言者が話す」

このシンボルのキーノート(基調)は
「超越的な意志と将来の行動を決定する真実をあらわにする代弁者の役割を果たす能力」

きょうはどんな日?
社会を動かす人間関係の諸力を敏感に感じとることができ、またその機能を明らかにすることで現実的に有用な提言が可能となるときです。

集団を維持し運営していくうえでの技法として合目的的な攻撃性の動員がきわめて有効であることがわかるときというのがおとといでした。集団の組織運営の技法の発展形態として全体で一致団結して目的に向かう。集団にとってはコンスタントな活動と挑戦的な行動は集団自体を健全に保つための必要な要件である。戦争という極端な事例は別としても、集団にとって目的とはいかに重要なものであるかを正しく理解しておこう。しかしながらそこにはリーダーの野心が間違いなく存在し、それが大きく働いていることもしっかりと見てとる必要があるという具合でしたが、全体で一致団結して目的に向かうような行動は起こしたでしょうか。それを受けての展開をお伝えできずに申し訳ありませんでした。

実際に行動を起こすかどうかは別として、集団の人々の攻撃性を束ねて一つの目的へと方向づけるということが組織運営上大変有効なのだと理解する――そのようなメタな視点でのとらえ方で集団というものを俯瞰して見てみるというのがおとといの段階では求められていたことでした。きのうはそうした視点を踏まえて集団にとって不足しているものや欠けているところを補い、片づけなければならないものを片づけるというプロセスをご提案する予定でした。シンボルである「10本の丸太が暗い森へと続くアーチ道の下に横たわっている」ですが、10という数字はものごとの完成状態を象徴するものです。現状で過不足なく揃っているという状態を表しているわけですが、その状態は同時に次の段階への発展を示唆しています。完結したものごとが一定の充足度合いに達していない限り、未だ知られていない領域へと休みなく手を伸ばすことによって達成しそうなものなど、真の意味で一切重大ではないからです。暗い森へと続く道にある10本の丸太は、未知に踏み込む前にやらなければならないことを、そしてつまりそれは現状の仕上げを示しているのだということです。また10は〈発芽〉を象徴するものでもあります。この場合9は種子を表しておりそれがじゅうぶんに成熟したところで芽吹くというプロセスです。完成を迎えたところでの小休止もまた同時にここでは示されているのだというわけです。端的に言えば〈境目〉〈敷居〉の段階がきのうということになります。

これらを経てのきょうですが、もちろん〈敷居〉を跨ぎ踏み越える段階となります。しかしシンボルに描かれているのは、敷居の先の、かなり特殊な世界にいるかのような人物です。預言者というものは多くの場合、なんらかの大きな存在や力の実体を自分の身に宿してその代弁をふるうというやり方で私たちの前に現れ啓示的な言葉を提示します。そしてそれは往々にして超越的ななにか、個を超えた全体の〈意志〉を示すのですが、私たちの日常的な社会はそのような意志では動いていないと常識ではとらえられているのが普通です。しかしその一方で実際に日常的な社会を動かしている現実的な意志の力が存在しているのも事実であり、私たちはそれに対しては一定の信頼を置くことによって社会の構成員たり得ています。政治の仕組みや社会の諸制度がそれに当たりますが、それらのなかで人間の力また集団の力がどのように束ねられ織り上げられ機能しているのかを、山羊の季節のはじまりからずっと扱い続け見てきたわけです。その限りにおいては預言者の言葉を、社会を動かしている力に引き寄せ、あるいは比較して見てとることも可能であるはずです。両者に通底している力の源泉を見い出すということが〈敷居〉にいる状態、敷居を踏み越えるときだからこそ成し得るというのがきょうの段階です。また立場を預言者の側においてみれば、自分が感じとった〈意志〉を力として他人に提示する際に、社会の現実的な面に則した見せ方を工夫する必要があります。代弁者として振る舞うその言葉が相手にとって本当に必要なものであるのかをかんがえなければなりません。きょうはそうしたことも含めて、より日常的なレベルのなかで人に対してどのように力と言葉をふるうのかについて慎重に自覚的になってみてください。しかしながら真実の価値と誤ったそれとを峻別することにまったくもって不能となる傾向が見られるときでもあります。ただでさえ権力的な態度には慎重でありたいときに何重にも誤った行動とならないよう全力で注意してください。