きょうの太陽から 2013年12月30日 | すずきふみよしの「星の音を聴く」

すずきふみよしの「星の音を聴く」

読むこととはすなわち聴くこと。耳を傾けること。
ホロスコープから「聴いた」ものを、そして感じとったものを、日々丹念に言葉にしていきます。

サビアンシンボルは
山羊座8度「陽のあたる家で飼い慣らされた鳥たちが楽しげに歌う」

このシンボルのキーノート(基調)は
「それを遠慮なく受けとる人々へもたらされる、よく確立された文化の理念や様式に従属する健全な幸福」

きょうはどんな日?
美と倫理についての自覚的な生き方を通じて特定の文化の理念や様式に自発的に従属し、そのなかで規律正しい生をいきいきと享受するときです。

社会を動かす人間関係の諸力を敏感に感じとることができ、またその機能を明らかにすることで現実的に有用な提言が可能となるときというのがきのうでした。預言者が発する啓示的な言葉はどこからくるのか、その源泉と社会を動かしている力とを同等にとらえてみる。あるいは預言者の側の立場として自分が感じとった〈意志〉を力として他人に提示する際には社会の現実的な面に則した見せ方を工夫する必要がある。日常的なレベルのなかで人に対してどのように力と言葉をふるうのかについて慎重に自覚的になってみようという具合でしたが、よい行いはできたでしょうか。きょうは平和が享受できるでしょう。

きのうの「預言者」とは、あくまでも象徴的に提示されているものです。〈超越〉とは特段に神秘的な秘教的なことがらのみを指しているわけではなく、これは哲学的な問い立てでもあります。日常生活のなかで哲学というものは実状と乖離した学問であるかのようにとらえられがちですが、人間とはいかに生きるか、あるいはいかに死ぬか、根源的な問いについてかんがえる学問であり、その結果は私たちの日々の暮らしのあり方に確実に反映され得るものです。社会を動かしている力とはどういうものかをよく見据えてかんがえてみることは、おのずと自分自身の言動や行動に制約をもたらすことになりますが、それがすなわち美く(よく)生きるということなのです。山羊座の守護星である土星は今日的な占星術上の解釈では限界や制限や拘束を意味するものとしてとらえられていますが、かつてはギリシャ神話の「黄金時代」のルーラーでもありました。古代ギリシャの詩人であるヘシオドスはその作『仕事と日』のなかで人類が経験した5つの時代(黄金時代・銀の時代・青銅時代・英雄時代・鉄の時代)を挙げ、その最初の時代である黄金時代をクロノスが支配した幸福と平和と正義に満ちた時代としました。ギリシャ神話のクロノスはローマ神話ではサトゥルヌスであり、これが英語のSaturnの語源となっています。きわめて土星的であるとも言える美と倫理についての自覚的な生き方はここで、安定しよく統合された社会がその構成員にもたらす幸福を享受し〈力〉を称揚することに向かいます。シンボルに描かれている鳥たちは飼い慣らされており、その家のなかにいることが自身の安全と平和につながるのです。鳥たちを飼っているのは家主の〈意志〉なのでしょうが、鳥たちの側にも飼われているという自覚がありそのような生を生きることをみずから欲しまっとうしているのだとかんがえてみてください。きょうの暮らしのヒントになることでしょう。怠惰な自己愛傾向が見られるときでもあります。易きにつくのではなく進んで欲しましょう。