きょうの太陽から 2014年1月1日 | すずきふみよしの「星の音を聴く」

すずきふみよしの「星の音を聴く」

読むこととはすなわち聴くこと。耳を傾けること。
ホロスコープから「聴いた」ものを、そして感じとったものを、日々丹念に言葉にしていきます。

サビアンシンボルは
山羊座10度「船員の手から餌をもらうアホウドリ」

このシンボルのキーノート(基調)は
「恐れとその報いを克服すること」

きょうはどんな日?
同調や共感の発展として自分に害意がないことを他者に示すことによって、愛と同情に基づいた深い相互理解を確立したいときです。

規範意識の発展として他者への同調や共感ひいては宇宙のリズムへの同調が導かれ、全体のなかでの個の位置と役割と目的を認識するときというのがきのうでした。自分が大きな全体の一部であるという認識をもつ。全体のなかで自分が欠くことのできない大切な役割をたしかに担っているのだという自覚をもつことが、全体に調和をもたらし他者への共感を生み出すという具合でしたが、正しい自己認識をもつことはできたでしょうか。きょうは同調や共感のさらなる発展に向かいます。

〈全体と個〉という意識をつねに前提においている限りでは、他人への同調や共感は言わば〈節度〉が保たれ、べったりとした共依存的な関係になってしまうことは回避されます。それぞれの立場を尊重し役割を重んじての全体の調和がなによりもまず第一義的に優先されるからです。そもそもがその同調感覚も規範意識の発展として生じてきたものであり、またそれはなにより特定の文化の理念や様式への自発期な従属に伴って生まれたものでありました。日常において現状やらなければならないことを完結させて(6度)社会を動かす人間関係の諸力を感じとり(7度)美と倫理についての自覚的な生き方を通じて特定の文化の理念や様式に自発的に従属する(8度)という選択にいたった個的な生は、かくして全体の調和と組織性を重要視したうえでの他者への同調や共感へと向かっていくわけです。そして人間の力また集団の力がどのように束ねられ織り上げられ機能しているのかを、山羊の季節のはじまりからずっと扱い続け見てきていますが、きょうはここでまたあらためて個人的なことがらのほうへと重点が置かれることになります。シンボルに描かれているアホウドリは翼開長が2メートル以上にもおよぶ世界最大級の海鳥です。大きな体躯と翼ゆえ動作は緩慢であると言われており、人間が近づいても素早い回避行動をとることができずに捕殺が容易であったことからその名がつけられたとされています。動作は緩慢といえども他の動物を捕食する猛禽の類であり、その鋭いくちばしは油断した人間の指を切り落とす力があるとも言われていますが、このシンボルで描かれているのは人間との良好な関係がとり結べている様子です。つまり、どちらがどちらに対してということはさておき、ともあれ相手に対して自分が無害な存在であることを表明することによって深い相互理解にいたるということがここでは示されているのです。前段には言うまでもなく全体の調和と組織性があります。それを重んじるからこそ、個人は自分の我を張ることから脱却して相互の敬意と理解に基づいたパートナーシップを築き上げることができるのです。またそれぞれの立場を尊重し役割を重んじるということは、ひいてはそうした役割を超えての愛と同情による交流をもたらすことにつながります。それぞれがなぜその立場にいてなぜその役割を担っているのか、それぞれが同じ全体の一部であると認識しているからこそ理解が可能となるのです。個人的なことがらのほうへと重点が置かれるとはいえ、けっして我に縛られることのない他者との交流を、上記のような意識と視点からめざしてみてください。枝葉の問題に過剰にかかずらったり気にしすぎたりする傾向が見られるときでもあります。その点においても私事にこだわるのはやめたほうが賢明でしょう。