きょうの太陽から 2014年1月2日 | すずきふみよしの「星の音を聴く」

すずきふみよしの「星の音を聴く」

読むこととはすなわち聴くこと。耳を傾けること。
ホロスコープから「聴いた」ものを、そして感じとったものを、日々丹念に言葉にしていきます。

サビアンシンボルは
山羊座11度「私有地にいる雉の大群」

このシンボルのキーノート(基調)は
「人間が、存在のこれまで以上の完璧な形態への生命の進化へ参画する、その手段による貴族的な価値の洗練と伝播」

きょうはどんな日?
社会性や組織性を意識しつつもあらためて個性の確認に向かい、自他の違いを認識したうえでそれぞれの個性の発達をかんがえたいときです。

同調や共感の発展として自分に害意がないことを他者に示すことによって、愛と同情に基づいた深い相互理解を確立したいときというのがきのうでした。全体の調和と組織性を重んじるからこそ、個人は自分の我を張ることから脱却して相互の敬意と理解に基づいたパートナーシップを築き上げることができる。またそれぞれの立場を尊重し役割を重んじることが、ひいてはそうした役割を超えての愛と同情による交流をもたらすことにつながるという具合でしたが、上手にアプローチできたでしょうか。きょうはさらに個々人の問題に向かいます。

〈全体と個〉をつねに意識していると個人と個人との深い交流を実現するには我を押し出すことは妨げになるのだという認識が、きのうの段階で得られていることでしょう。自分固有の問題を公に明らかにしたり自己主張をしたりすることはひとまずおいて、自分も他人も大きな全体の一部なのだと了解することが愛と同情につながるのだということ。すなわちそれが人をおもいやるということです。山羊の季節においては社会性や組織性は大変重要なテーマの一つですが、それに伴って個人の疎外をいかに回避するかということも大切な課題となります。きょうはそうしたプロセスのなかで、より個人性の強い問題へとフォーカスしていきます。シンボルに描かれている雉は日本の国鳥です。日本原産で特有の種というわけではないのですが、わが国では古くから狩猟の対象となりその肉は食用とされ、文学や美術にも数多く登場するなど文化上大変馴染み深い鳥となっています。日本という国は近年では携帯電話が独自の発展を見せたり、オタク文化や性風俗や前衛音楽が国際的に抜きん出た評価を獲得するなど、文化的にはグローバルスタンダードから大きく乖離した極端さを美点として有しているところがあります。雉という鳥はそうした日本の文化的な特異性・特殊性を象徴するものだと言ってもよいでしょう。私有地にいる雉の大群は、一般社会から隔絶されたところで個性や文化が言わば貴族的な発展を遂げているさまを象徴しています。社会性を大きくとり扱う山羊的なテーマの数々にあってかなり異質とも言えるテーマのようですが、ここで一度個性というものについてかんがえ直してみるのもよい機会でしょう。他者との同調や共感、相互理解といったプロセスののちに、あらためて自他の違いをじゅうぶんに自覚するように自分を見直すときであるととらえてみてください。そしてより発展的にかんがえるならば、見い出された違いを、自他それぞれともに育てていくという方向に関心をもって行ってみてください。それは確実に社会的な営みであることでしょう。その一方で他人の凡庸さにあわせることに利己的な満足を覚える傾向が見られるときでもあります。違いを見い出したところで追従口は避けましょう。それは個性を育てません。