5.森にすむネズミ | 手稲山・発寒川からの手紙

手稲山・発寒川からの手紙

北海道の野生動物や自然の状況についてなど手書きの絵などによって詳しくお伝えします。

ヤチネズミ

 遠いむかし ヤチネズミは大きな川のほとりにある 草のおいしげった土地に すんでいました。北海道に 人びとが 移りすむようになり 森の木の伐採(ばっさい)がすすみました。これにつれて ヤチネズミは 森にすむようになりました。それは 木を切った森が 明るくなり ヤチネズミのすきな食べものの やわらかい草やササが たくさん生えてくるからです。ヤチネズミは草が生え しめりけのある 森の小川ちかくなどに 一ばん多くすんでいます。「ヤチ」とは しめりけのある土地という意味のことばです。



ミカドネズミ

ヤチネズミに一番似(に)た 種類のネズミです。むかしは 数が多かったので「ミカド」(王様)という学名がつけられました。ところが そのあとで 数をふやした ヤチネズミ(学名は 王様の家来ベッドホールの名をつける)に すみばを追い出され いまでは ほかのネズミのすまない 森のかたすみでほそぼそと生きています。



アカネズミ

 体の毛が赤いので「アカ」ネズミという日本名がつけられました。どんぐり(ミズナラやカシワの実)などの 大きな木のタネを食べます。このため 広葉樹(こうようじゅ=広い葉の木)の森にすんでいます。ネズミのなかでは 体が一番大きく 強い後ろ足で ジャンプをしながら 食べ物をさがして 遠くまで 移動します。



ヒメネズミ

 体が一番小さく 姿はきれいで 木登りのうまいこのネズミに 外国の学者が 「芸者=げいしゃ」という学名をつけました。日本語名は「ヒメ」です。森のなかでは 虫や針葉樹(しんようじゅ=針のように細い葉の木)の小さなタネを食べています。秋おそく森で 冬の食りょうにするため 地下につくった巣(す)へ 木のタネを せっせと運んでいる ヒメネズミの姿を 見ることができます。





手稲山・発寒川からの手紙