健康で文化的な最低限度の生活を営む権利 | テクマクマホコン ~元気になぁれ!~

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「ウエスト症候群」と診断された娘の備忘録。その後、「非ケトン性高グリシン血症(グリシン脳症)」が原因疾患と判明。

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

日本国憲法第二十五条は、このように規定しています。
全ての日本国民には、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」があるのです。
そして、その権利を守るために国がすべきことも規定されています。

ブコラムの治験にほぼ不可能と思える条件をつけた人たち、そして「データが揃わないから承認できない」と言っている人たちは、この条文をもう一回よく読み直してほしい。

ドラベ症候群をはじめとする、てんかん発作が重積しやすい子供たちは、まずその時点で「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を脅かされています。
その子を育てる親は毎日毎日、体温変化、気温変化、感染症、光、模様など、さまざまなことに気をつけて、その生活を守ろうとしています。
そうしないと、発作が起こるから。発作が起こると、脳にダメージを受けるから。それが重積して止まらないと、ダメージはより深刻になり、命の危険があるから。
だからと言って、全ての刺激を取り除くのもその子の発達のためにならないので、バランスを見るのが本当に難しいのです。

発作にならないために、それだけ必死に努力していても、発作になるときはなってしまう。それが難治性と言われる悲しさです。
でも、何とかその回数を減らしたい、危険性を減らしたいと努力しているのです。
そうして必死に守り育ててきた我が子なのに、たった一回の発作重積で、手を尽くしたにもかかわらず、あっけなくいなくなってしまう。その心境は想像では計り知れないけれど、想像だけでもしてみてほしい。

いや、「手を尽くしたにもかかわらず」じゃない。
「尽くせたはずの手」がまだあったからこそ、悔しさが募るのです。
それがブコラムだった。

私は当事者ではないけど、想像の範囲だけでもその悔しさ、やるせなさ、やりきれなさは相当のものです。
発作を起こさないための努力は、みんな十分すぎるほどしています。抗てんかん薬の調整はもとより、ケトン食や修正アトキンス食などの食事療法、感染症への警戒、体温調整や刺激を必要以上に与えないようにと、出来ることは何でもしています。
それでも現状、発作を無くすことは難しい。だから、起こってしまった発作を止める手段が、それもできるだけ早く止める手段が必要なんです。

どうか、ブコラムの早期承認をお願いします。
小さな日本国民であるてんかんっ子に、健康で文化的な生活を続けさせてください。
これからの冬は、感染症が怖い季節です。それを引き金に発作を重積させてしまう子が、どうかいませんように。みんな、元気に冬を乗り切れますように。