見終えた後も心を離してくれない。
※森田恵子監督「小さな町の小さな映画館」「まわる映写機めぐる人生」と4本立て、1,500円で全作品鑑賞可
「映画はすごい」と教えてくれる映画が時々ある。
物語や、テーマの素晴らしさを受け取った…といった直接的な作用ではなく、
あらゆる可能性から取捨選択され生まれた、作品自体に内在する"強度"に触れたとしか思えない作品を見た時である。
主演のユ・アイン、映画初出演のヒロイン、チョン・ジョンソ、スティーブ・ユァンの3人の演技。
表面を取り繕ったものではない、何かを伝えるためでもない、画面の中に切り取られた彼らの人生が存在した。
148分のスケッチに夢中になった。
最近、靄のように自分の心に浮遊していた「なぜ役者を、映画をやるのか?」という疑問に一筋の光が見えた。
もし自分に映画をやる意義があるとするならば、
その"強度"を何かしらの形で生み出すことができるかもしれない、という一点かもしれないと思った。
自分が現段階でできるかどうかということではなくて、少なくともそこに関心がある、目指すことができる、奉仕することができる、ということに希望を見出した。
映画はあまりお金にもならず、辛いことも多い。もっと生きるために効率の良い生き方は考えたらできるだろうと思うが、その先にはあまり関心が持てない。
マネーゲームや人気、注目の奪い合いも良いが、本当に素晴らしいものに光が当たる世界になれば良いなと願う。
僕は僕で、作品を通じて提示したい。
「これが僕の思う素晴らしいものです」
と。
それがきっと、表現するということなのだ。
監督作「不感症になっていくこれからの僕らについて」
出演作「恋愛依存症の女」
あさって2/17(日)に北海道、新札幌サンピアザ劇場で上映です。
今の僕なりの全力の提示です、ぜひ、見にいらしてください。
※森田恵子監督「小さな町の小さな映画館」「まわる映写機めぐる人生」と4本立て、1,500円で全作品鑑賞可