制作の現場から☆テクニック解説編 | 暮らしを彩る刺繍

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刺繍デザイナー 土田真由美のブログ兼ホームページ(旧 Nui nui 生活 in NY & TOKYO)
刺繍教室(MAYUMI TSUCHIDA Embroidery & Needlework)を主宰しています


Nui nui 生活 in TOKYO


Design : Mayumi Tsuchida (Original)


日が経つのは早いもので、もう12月も半ばに差し掛かろうとしています。

私の制作の方はというと、冬の連作をやりつつ、春の新作のデッサンをしています。

だから今、リビングは花だらけ。

メモ帳だったり、画用紙だったり、使わなくなった名刺の裏だったり(笑)

連日描いて、描いて、描きまくっています。


フリーステッチ系の場合、実物を前に置いてデッサンしないと、自分の中でしっくりこないというか、香りや質感からくるインスピレーションは大きく、とてもデリケートなものなので、時間は掛かりますが丁寧に進めています。

あとはアングルや奥行きがね。。。

実際に鉛筆を動かして分かることは案外多いものです。



さて前置きが長くなりましたが、今日は「制作の現場から☆テクニック解説編」ということで、ここで刺繍のテクニック解説について述べるということではなく(それは本を是非購入して下さいね!)、ヴォーグ本社スタジオで撮影した際の感想を述べるFree Talkです(笑)


8月下旬の撮影で、私は午後2時過ぎからでしたが(午前中は西須久子先生)、まず最初に感じたのは、


スタジオが暗い


ということで、もっと明るい場所でやるのかと思っていたので驚きました。

だから撮影終盤の5時過ぎには外も暗くなる為、針目が見えない!

窓辺のソファーで刺す⇔中央の撮影場所に移動して撮影

を繰り返したことが結構大変でした。


撮影自体は担当者の方に、まるで刺繍教室の生徒さんに教えているように説明しながら、ワンカットずつ撮影し、その都度パソコン上で画像を確認する、という流れで進められました。


普段生徒さんに教えている中で、つまづきやすい所や質問が多いポイントを出来るだけ盛り込み、誌面上で分かり易いように色糸を使って工夫したり、、、カッティングの所をもう少し詳しく説明出来ればよかったのですが、スペース的に無理。あれが限界(笑)

むしろ担当の方があれだけの内容をとても上手くまとめて下さったなぁと思い、感謝しています。


そして今回、「ボタンホールS」「はた結び」を入れました。

絶対入れる!という意図を持って入れました(笑)


ボタンホールSとブランケットS、どちらで刺せば良いですか?


と生徒さんにしょっちゅう聞かれ、


ボタンホールSで揃えるのは難しいから、ブランケットSで刺しています


という方が実際は多いのではないでしょうか?


結論から言うと、

洗う頻度が高い、触れる(摩擦)頻度が高い、ずっと長く使いたい→ボタンホールS

たまにしか洗わない、額装する→ブランケットSでも可(但し糊付けが必要な場合あり)


という感じで、使用用途に応じて判断すれば良いと考えます。


が、指導者を目指す方はどちらで刺しても綺麗に揃わないとダメ。

私はその辺厳しいというか、鬼なので(笑)、

ボタンホールS→ブランケットSは容易ですが、逆は困難なので、難しい方で練習してみましょう。


そして同じく耐久性の観点から、やはりはた結びが一番良いというか、この方法が一番がっちり固定されて、何回洗っても解けてこないんです。

はた結びを避ける人が多いのも当然分かっているのですが、特に指導者を目指す方はいろいろなやり方を知っておくことはとても大事ですし、ハーダンガーを指導するという観点からすると、これは絶対に避けては通れないので、是非マスターしましょう。



長くなっていますが(笑)

あと心残りがあるとすれば、「ピコット」の解説を入れられなかったこと。。。

これはもう最初の段階でページ数に限りがあるから、入れられないだろうなぁと推測できたので、デザインから外したんです。

仮にピコットを無理やり入れたとしても、デザインが崩れてしまうんでね・・・難しいところです。

またいつの日か、このような機会を頂けることがあれば、その時に是非入れたい、と考えています。


そして今回、テクニック解説ページを任せて下さり、編集部の方々には大変感謝しております。

とても良い経験となりました。

刺繍の本において、このパートがとても大切である、というのは分かっているので、またいつかこのような機会があれば責任を持ってやりたい、と考えてます。


さて次回は「Winter タペストリー編」です。



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