共有;マンション管理費;不可分性~マンションの共有×管理費~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
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Q マンションの1室を私Aと兄Bとで共有しています。
  管理組合から管理費の全額分の請求が来ています。
  半分だけ払えば良いのではないですか。


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A 管理費の支払い義務は不可分債務とされています。全額支払いの義務があります。

【共有;マンション管理費;不可分性】
Qマンションの1室を私Aと兄Bとで共有しています。
管理組合から管理費の全額分の請求が来ています。
半分だけ払えば良いのではないですか。

A管理費の支払い義務は不可分債務とされています。全額支払いの義務があります。

単純に考えると,共有持分割合で管理費を分担する,ということになります。
ただし,「管理費の請求者との関係」という部分では,単純ではありません。
マンション管理費に対するサービスは「分断できない」という性質があります。
そこで,管理費についても「分担できない」という解釈がなされています(東京高裁平成20年5月28日(非後掲),東京地裁平成22年11月30日(後掲))。
結論として,AにもBにも全額請求がなされる,という状態です。

[平成22年11月30日 東京地裁 平22(ワ)29204号 管理費等請求事件]
第3 当裁判所の判断
(略)
 2 争点(2) 被告らが負担する管理費等の支払義務は不可分債務であるか。
 区分所有建物の1つの専有部分の区分所有権を共有する者らが管理組合に対して負担する管理費等の支払義務は,専有部分の財産的価値,利用価値の維持,向上という各持分権者が共同不可分に受ける利益を得るための費用負担であることに照らせば,管理規約においてこれと異なる定めをするなど特段の事情がない限り,金銭債務であっても不可分債務であると解するのが相当である。このように解しないと,区分所有権者がその区分所有権の一部を多数の者に譲渡したり,区分所有権者に相続が発生するなどして多数の者が区分所有権を共有する状態が生じたときに,管理組合が各持分権者に対してその持分に応じた金額を請求するのが困難になる一方で,持分権者相互には何らかの人的つながりがあるのが通常であるから,持分権者のうち1名が管理費等を全額支払い,他の持分権者に求償をすることは容易であると考えられるからである。
 本件において,上記特段の事情は見あたらないので,被告らの原告に対する管理費等支払債務は,不可分債務であると解するのが相当である。

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