今年もあと少しで終わりです。
今回は年末の挨拶と、今年一年の総括と来年の予想や展望についてまとめてみようと思います。
2021年も新型コロナウイルスの影響は強く、10月まで多くの地域が緊急事態宣言により飲食店は時短営業を強いられることになりました。
しかし、昨年よりも手厚い協力金、人流も昨年よりは多かった印象で、予想よりも多くの飲食店が耐え忍ぶことが出来たのではないでしょうか。
一部の飲食店は協力金バブルがあった…などと揶揄されていますが、これは実際にその通りのケースもあったと思います。
従業員がいない、テナントの家賃が安い、個人営業主が自身で営業しているお店など、規模の小さいお店は休業していても普段の売上よりも多く入ってくるケースもあったと思いますし、何より協力金は「売上」ではなく「利益」なので。
さらに20:00までの時短営業の場合、元々21:00までの営業だったお店は1時間の時短営業で済んでいる店などもあり、業態、店舗の規模、地域によって協力金の恩恵はかなり差があったと思います。
ここで、少しだけ余談ですが、この「協力金」
全てお店の「利益」になるので、その利益に対して税金はしっかりかかるので気をつけましょう。
中には協力金で大きな買い物したなんて声も聞こえたりするので…
そして、アルコール提供の業態は今年も大きな打撃を受けました。
時短営業はもちろん、外食でのアルコール摂取が減っている状況は続き、相当厳しい状況だったと思います。
このアルコール提供の業態については後述しますが、今後さらに大きな変化があるのではないでしょうか
それでも10月からは感染者数も相当減り、現在は人流も戻りつつあります。
しかし、一度大きく変化した日常はすぐに戻るものはありませんし、オミクロン株の不安などもあり、まだまだ余談を許さない状況です。
では、来年以降の飲食店事情はどのようになっていくのでしょうか。
自身に入ってくる情報、企業の動き、自分の考察を含めて2022年以降の今後について考察&予想をしてみようと思います。
①規模の大きい店舗は縮小、小さい店舗、郊外店が増える
これはこの2年弱のコロナ禍で顕著になったのではないでしょうか。
家賃などの固定費のコストが高い店舗はこういったイレギュラーな状況に耐えきれず、影響の大きかった都心部の大型の店舗の多くが閉店というケースがありました。この傾向は今後も続くと思います。
チェーン店や企業系の店は規模の大きい店舗を減らして、規模の小さい店舗数を増やしていく。
そのために新たな業態に参入している企業も多いですし、様々なアイデアが投入されています。
そして、コロナ禍で影響が低かった郊外型の店舗。
飲食チェーンの売上や利益を見ると、これも顕著ですよね。これらからもチェーン系は同じ高額家賃のテナントでも、繁華街の駅前店舗よりも、郊外の駐車場付きのテナントが広がっていく傾向が増えると思います。
実際に、飲食店が減ってテナントは空いていくように思えますが、現時点でも5~20坪以下の飲食用のテナントはなかなか空きが出ません。
物件は空いていくのに、個人系の店舗の出店が厳しくなっていく可能性もありますね。
②飲食店の人員不足は深刻な状況に
現在、多くの飲食店がまたこの「人手不足」に悩まされているのではないでしょうか。
都内では時給1800円で募集している店もあるなんて話も聞きます。
これはこのコロナで浮き彫りになった飲食店全体の問題でもあります。
一度多くの店舗が閉鎖、休業を余儀なくされ、営業していてもシフトを削られる、リストラになる…という形がこの2年の間に多く出ました。
そして、元々ある給与、待遇面などの問題。
飲食店は他のジャンルに比べてこのあたりの待遇が優れているとはまだまだいえません。
しかし、原材料の高騰は続きますし、むしろ人件費を抑えていかないと厳しくなる時代はすぐ目の前です。
もちろん、値上げなどは今後増えていくと思いますが、単純に
飲食店で働こうとする人が減っている
のが一番の問題なわけです。
いつまた閉店になる、シフトを削られる、休業になる…という不安のある業態で働こうと思う人が減るのは必然ですよね。
この問題に関しては飲食店全体の問題として、考えていかなければならないですし、この人員不足と原材料の高騰については、今度ゆっくり考察したいと思います。
③原材料の高騰、値上げ
前述したように、この原材料の高騰、人手不足について、飲食店全体がどのように対応していくのかコラムにしようと思います!
④ある程度ウィズコロナになる
新型コロナと2年近い付き合いになりました。
まだまだ現在進行形で全世界で抱える大きな問題ですが、やはり今後はこのウイルスとも付き合っていかなければなりません。
昨年はその不安から人は外出を控えて、リモートワークなども増えて、生活環境はかなり変わりました。
今年もほとんどの期間が緊急事態宣言の状態でしたが、昨年に比べるとワクチン接種も進み、感染予防の意識も当たり前のようになって、多くの人が昨年よりもコロナ前に近い感覚の生活をしていたのではないでしょうか。
もちろん、コロナ前に比べたらまだまだ全然です。
ただ、この昨年との意識の違いは飲食店全体にとってもかなり大きく、2021年は2020年よりも売上が上がった店舗の方が多かったと思います(※あくまで自身の関わりのある事業者様や入ってくる情報の中だけの話です)
このコロナと「付き合っていく」という意識はもう既に多くの人に浸透していると思いますし、「ウィズコロナ」ということも飲食店は意識して、どのように付き合っていきながら営業していくのかがポイントになってくると思います。
⑤EC、デリバリー、テイクアウト需要
このコロナ禍の飲食業界での一番大きな変化はこのあたりの需要増加ではないでしょうか。
出前館やUber EatsがTVのCMをバンバン流して、デリバリーやECサイトを利用する事業者も多くできましたし、以前では考えられなかった状況になっています。
そして、これらを利用するユーザーが増えたことはもちろん、導入した店舗も相当増えたのではないでしょうか。
自身がこの2年で受けた相談の中でも、通販、デリバリー、テイクアウトに関することが一番多かったと思います。
その中で多くの事業者が不安しているのが、店舗数が増えて、今後飽和状態になり、今後もやっていく価値があるのか? 今からやる価値があるのか?ということです。
これに関して、自身の見解は
需要はある程度そのまま継続する
と思っています。
確かにこれらを導入する店舗数も増えて、利用する人も落ちついてきたと思いますし、一店舗あたりの売上は落ちていて、ある程度飽和状態にもなってきています。
しかし、デリバリーや通販などの「便利さ」「本格的」という部分に多くのユーザーが気づいたことで、全体的な需要はそこまで落ちることはないと思っています。
ただし、デリバリー、通販だけの専門店などは店舗数が増えたことによって今後の販売戦略は難しくなってくると思いますが、リアル店舗の+αの売上という部分では今後も期待出来ると思っています。
他にもテイクアウト、中食の需要も増えたままだと思いますし、冷凍自販機などのツールもまだまだ増えていくと思います。
このあたりはコロナ禍で生活スタイルが変化して、それが落ち着いてもそのまま残っていく生活スタイルの一部だと思いますが、しっかりと状況を判断していくことが重要です。
⑥高齢化社会との向き合い方
あと5年程で世の中の半分が50歳以上になると言われています。
多くの方が年齢を重ねていく中で、感じていることはありませんか?
歳をとるに連れて食の好み、食べる量、内容が変化している
ということを。
こってりしたモノが受け付けなくなる、量が食べられなくなる、生活習慣病、持病などにより食事の内容を変えていく必要がある…など。
しかし、世の中の飲食店の数、業態、内容はさほど大きな変化はありません。
今後はこういった高齢化に向けた商品開発、業態開発というのも頭に入れていく必要があると思います。
もちろん、既にこのあたりを意識した商品、業態を進めている企業もありますが、まだまだ少ない印象ですね。
ラーメンでいえば「ネオノス系」などと言われる味が話題になっていたり、清湯系ラーメンの人気店が増えているのも、職人の努力、味の進化だけではない部分もあると思います。
それでも、味が濃い、こってり系の味の方が全体的には多い傾向にあるのは間違いないですし、こっちの方が売れる傾向にはあるので、そういった中で飲食店はこの高齢化社会に向けた意識は常に持っていく必要があると思います。
ターゲットやシェア率なども変わってくので、それに合わせたコンセプトを少しづつ変化、進化、改善していく必要があるかもしれないですね。
⑦アルコール提供業態の衰退
このコロナ禍で多大な影響を受けたであろう「アルコール提供業態」
緊急事態宣言が解除されて、人の流れがある程度戻った現在でも、まだまだ厳しい状況が続いています。
そして、このアルコール提供の業態は以前のような状況に戻ることは当面無いと思っています。
これにはいくつか理由があるのですが、
一度変化した生活スタイルはすぐには戻らない
と考えているからです。
家に帰って飲む、飲み会などの会合が無くなる、遅い時間の飲酒が減る…など、緊急事態宣言中に普段アルコールを摂取している人の生活スタイルは大きく変化しました。
そういう中で、もちろんお酒が好きな方は今後も量も変わらず、落ち着いたときには外食で以前と同じように飲酒をすると思います
しかし、たまに飲む、付き合いで飲む、少量をたしなみたい…などのライトユーザー層も多くいるわけで、そういう方々は外食での飲酒の量は今後も減ったままになると思われます。
家飲みが増えたことで、アルコール類の全体の消費量が急激に落ちたわけではありません。ただし、この生活スタイルの変化というのは大きな要因です。
日本人は酒好きではあると思うので、大きく衰退するとは思っていません。
単純に今までの外食でのアルコール業態が多すぎたこともあり、それらが落ち着いていくのではないか…という予想がされるという感じですね。
このアルコール提供の業態も、今後どのように変化して、対応していくのか。しっかりと把握して、対応していきたいですね。
今回の検証は自身に入ってくる情報、飲食関係事業者の意見、飲食関連企業などの動きなどを元に、自身の主観的な見解も多く入っています。
あくまで予想でしかありませんが、2020年の段階で考えていたこと、現時点で考えていることにも結構違いがありますし、今後もこのイレギュラーな飲食事情に事業者は対応していかなければなりません。
そして、自分の大好きなラーメンという文化がこのコロナに負けないように、自分もサポートする側の人間として、出来る限りのことをやっていきたいと思います。
今年はプライベート的な問題もあり、あまり表立った活動はしていませんでしたが、現在ひっそりと3軒の飲食店経営に携わっていたり、サポートしている事業者様もかなり増えています。
そして、大事なパートナーも増えて、仕事の幅も増えて、こなせる仕事量も増えました。一人でやっていたときからすると飛躍した1年でもありました。
色々なことがありましたが、多くの方に支えられてやってこれました。
プラットホームとしてのサイトや動画などの準備も来年は進めていきますし、ブログのコラムなども定期的にアップしていく予定です。
今年も1年ありがとうございました!
来年もよろしくお願いします!
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