ドイツ論文 2011年12月の茨城県、福島県、岩手県、宮城県の自然死産率が12.9%増加している | まっちゃんのブログ

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4月17日に「放射線防護に関する市民科学者国際会議」

のHPでドイツ健康環境研究センター計算生物学研究所に

所属しているハーゲン・シェルプ氏ら他2名、ドイツ在住の

ジャーナリストのふくもとまさお氏が共同で出した

論文「フクシマの影響  -日本における死産と乳児死亡-」

を公開した。

この論文は2014年2月6日ドイツの放射線防護専門誌

「放射線テレックス」で発表された論文を日本訳

したものである。

この論文によると日本の11都道府県(千葉県、福島県、群馬県、茨城県、岩手県、宮城県、新潟県、埼玉県、栃木県、東京都、山形県)で2011年12月の死亡率(自然死産+出生後1年未満の乳児死亡)が5.2%増加していることが発表された。



(注 画像をクリックすると拡大できます)

汚染されていない36都道府県の死亡率(自然死産+出生後1年未満の乳児死亡)は増加していない




この表を見てもらうと自然死産と乳児死亡の死亡率が減少傾向だということがわかる
(出典 厚生労働省 人口動態統計)



ということは、日本全体において自然死産と乳児死亡の死亡率が減少する傾向があるにも関わらず増加していることになる。ちなみに、チェルノブイリ原発事故の翌年にドイツ全体で周産期死亡率が4.8%上昇した状況に近いと書かれている。


高汚染地域の岩手、宮城、福島、茨城の2011年12月の自然死産率は12.9%上昇している。



中汚染地域の東京、埼玉でも自然死産率4.1%上昇している。



高汚染地域、中汚染地域以外の地域では自然死産率は増加は見られない。



結論を引用する
「地震と津波の被害を受け、福島第一原発事故によって放射能に汚染されたと見られる11の都道府県では、日本全体において自然死産と乳児死亡の死亡率が減少する傾向があるにも関わらず、地震が起こってから9ヶ月後から自然死産と乳児死亡の月別死亡率が約5%上昇し、統計上有意な増加を示した(p=0.0097)。そのうち最も放射能で汚染された茨城県、福島県、宮城県、岩手県では、自然死産率が2011年12月以降約13%上昇し、統計上さらに有意な増加を示した(p=0.0075)。同様の影響は、その他のほとんど汚染されていない都道府県ではまだ現れていないか、(今のところ)確認できない。

以上の解析結果は、チェルノブイリ原発事故後にヨーロッパで観察できたように、日本でも放射線被曝による遺伝子障害の影響が発生していることを示唆している。この解析結果からすると、今後日本において自然死産と乳児死亡、先天異常、出生時の出生性比[8-10]の動向を注意深く観察する必要がある」

著者:
ハーゲン・シェアブ(Hagen Scherb)
理学博士、ミュンヒェン・ヘルムホルツセンター/ドイツ健康環境研究センター計算生物学
研究所研究員。専門は数学と生物統計学。
放射線の影響では、チェルノブイリ事故後のドイツ、ヨーロッパにおける死産の増加、先天
異常の増加、出生性比の変化(女児が減る)などを解析。放射性廃棄物の中間貯蔵施設周辺
で女児が減る徴候についても解析している。
ヘルムホルツセンターは日本でいう国立研究所の総称。ミュンヒェン・ヘルムホルツセンタ
ーは特に健康と環境を主要研究テーマにしている。

ふくもとまさお
フリーライター、ベルリン在住。
近著に「ドイツ・低線量被曝から28年 ‒ チェルノブイリはおわっていない」(言叢社)

クリスティーナ・フォイクト(Kristina Voigt)
理学博士、ミュンヒェン・ヘルムホルツセンター/ドイツ健康環境研究センター計算生物学
研究所研究員。

ラルフ・クスミーアツ(Ralf Kusmierz)
ミュンヒェン・ヘルムホルツセンター/ドイツ健康環境研究センター計算生物学研究所研究
職スタッフ


ソース
フクシマの影響  -日本における死産と乳児死亡-
http://csrp.jp/posts/805

論文
http://csrp.jp/wp-content/uploads/2014/04/strahlentelex022014_kiji_JP.pdf