顔面頬部の若返り:学会にて | 美容外科開業医の独り言

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先週末は日本美容外科学会が開催され、参加してきました。今回は発表もなく、気軽な参加。

今回の学会の主たるテーマは「中顔面の若返り」でした。実は手術や機器を用いてもなかなか変化しないのが中顔面です。
中顔面とは目の下から頬・法令線にかけての部分で、日本人は頬骨が張り出し、平坦な顔であるため、いわゆるフェイスリフト手術(耳の前を切って引っ張る方法)でもなかなか中顔面は変化しません。機器では計測上の変化はあっても、実際の写真ではその変化を捉えることができない事もしばしば。
今回もそのような発表が多かったです。やはり注入系や糸などによるリフトを従来の方法(手術など)と組み合わせることが良いという結論です。
当院においても、中顔面はやはり糸による引き上げやヒアルロン酸やレディエッセ注入を主におこなっており、これを全体の引き上げ効果のあるサーマクールやウルセラと組み合わる手法が最も良い結果を得ている印象があります。

他にも美容医療に関わる消費者トラブルの現状についてという題で東京都消費生活総合センターの井坂江美子氏による特別講演があり拝聴しました。
常識的にあり得ない金額の請求やトラブルを起こしている特定クリニックなどの例を挙げられ、美容医療が現在かなり消費者センターにおいて大きなウェイトを占めつつある現状を説明されました。襟を正し、今まで以上に良い医療を提供していこうと思います。

さて、学会においては評議員会が開催され、再生医療に関する法の施行に伴う医療機関届け出や審査の説明がおこなわれました。PRPなど当院でもおこなっている治療もその法律の規制の下に置かれる可能性があります。現時点ではまだ明確なことが分からないままですが、最低ラインの三種というものに該当する治療でも、外部と遮断した換気・衛生環境のある施設のみが認められる可能性があるそうです(学会内の委員会でも見解が分かれています)。高額な設備投資と専用施設を要するため、そうなった場合には当院ではPRP治療が出来なくなる可能性があります。今年5月に差し迫っており、また詳細は学会で検討するようです。
ただこの法律は細胞培養もしくは加工をする事に対する規制であり、PRPは単に遠心分離して濃縮するだけなので、それが本当に該当するのかどうか。。。。