おはようございます!
みなさんご機嫌いかがですか?
前回からの続きです、、、
早速兄嫁のお姉さんに、20万円(現在なら100万円くらいではないでしょうか)の借金を申し込むために、お姉さんが勤める会社に電話をかけました。(50年前ですから、もちろんまだ携帯電話は存在しません。)
ツーツーという呼び出し音が聞こえて、すぐにオペレーターが電話に出ました。
僕「総務部の○宮さんをお願いします。」
オペレーター「少々お待ちください。」
しばらくすると、お姉さんが電話に出ました、、、
お姉さん「もしもし、○宮ですが、、、」
僕「もしもし、僕はあなたの妹さんと1年前に結婚しました、水谷正和(まさかず)の弟の孝(たかし)ですが、覚えていますか?」
お姉さん「孝君!? もちろん覚えているわよ! 久しぶりねェ。元気?」」
僕「ハイ、おかげさまで。実はお姉さんにご相談したいことがありまして、それでお電話したんですけど、今日会えませんか?」
お姉さん「今日?いいわよ。それじゃあ6時に仕事が終わるから、私の会社の近くの喫茶店で会いましょうか?私の会社の場所は知ってる?」
僕「ハイ、義姉から聞きました。」
お姉さん「それじゃあ会社の隣りの隣に○○○○という喫茶店があるから、そこで6時に待ってて。」
僕「分かりました。6時に必ず行ってます。」
ということで、その日の夕方6時に会うことになりました。
以下は喫茶店での僕とお姉さんの会話です、、、
お姉さん「しばらくねェ。元気そうね。何か私に相談したいことがあるって言ってたけど、なに?」
僕「実はパリに1年くらい行って、フランス語の勉強をしてこようと思うんですけど、お金がないもので、お姉さんにお願いしてみようと思って、それでお電話したんです。」
お姉さん「へェー、パリに行くんだ。大学はどうするの?」
僕「中退しようと思います。」
お姉さん「そう。それでいくら位必要なの?」
僕「一応20万円くらい必要なんですけど、、、」
お姉さん「いいわよ。それくらいならすぐに貸してあげられるけど、パリに1年間行くのに20万円で足りるの?」
僕「ハイ。片道切符のお金と、最初の1ヶ月分の生活費だけあれば、あとは皿洗いでも何でもやって稼ごうと思っていますので、20万円あれば大丈夫だと思います。」
お姉さん「必要ならもう少し貸せるけど、それでいつまでに必要なの?」
僕「出来れば明日にでも、、、」
お姉さん「分かったわ。明日銀行から降ろすから、明日また6時にこの店に来て。それから孝君に貸す20万円のうち、5万円は私からの餞別として取っておいて。だから返してくれるのは15万円だけでいいから。それから返すのは急がなくていいからね。孝君がパリから帰って来て、そして仕事を見つけて、お給料をもらえるようになった時に、少しずつ返してくれればいいから。いっぺんに返さなくていいからね。」
僕「ありがとうございます。感謝します。やっぱりお姉さんにお願いして正解でした。」
以上が、1年前の兄の結婚式でたった一度しか会ったことがなかった、兄嫁のお姉さんに、20万円の借金を申し込んだ時のやり取りでした。
20万円という大金でしたが、直感が最適任者に選んだ兄嫁のお姉さんに頼んだからこそ、嫌な顔をされるどころか、逆にパリ行きを励まされ、5万円もの餞別をくれたのです。(50年前の5万円です!)
もしも最適任者ではない人に(親兄弟も含めて)、20万円もの借金を申し込んでいたら、こんなに簡単に、そしてこんなに気持ちよくは借りられなかったと思います。
これが直感が教えてくれた「借金の極意」です。
続きは次回のお楽しみに!
それではまた来週の金曜日にお会いしましょう!
みなさんお元気で!
スペインのイルンより心を込めて、、、
水谷孝