以前映画館での予告を見てから、面白くないわけがないと思っていました。
前評判も良くミュージカル好きなら見ないわけにはいかないと思い、期待に満ちて見に行ったのですが、裏切ってくれましたね。
期待以上で震えてました。
見た後すぐにサントラ買いました。曲数は多くないけど、どれもいい曲で涙が出てくる…
※ネタバレ含みます※
「LA LA LAND」はハリウッドを茶化して言うときの言い方だとか。
「City of Stars」もハリウッドのことですよね、多分。
最初の渋滞のシーンで、既に泣いていました。
何でか分からないんですが、RENTのオープニングとか皆で歌って踊るっていうのに弱いんです。
舞台でもそう。
メロディは希望に溢れているのに、もしかしたらダメかもしれない、というちょっとの諦念。
渋滞は行き詰っている状況のイメージでしょうか。
一連のシーンが終わったときには拍手しそうになりました。ワンカットであの映像はすごい。
全体を通して映像が色鮮やかで、夢見るハリウッドって確かにこんな感じ…と思ってみていました。
パーティーのシーン、歩いていくミアを客がスローモーションで踊りながら避ける演出はビッグフィッシュのお祭りのシーンを思い出しました。
女性を見た瞬間恋に落ちてエドワード以外の全てが止まる中、宙に浮くポップコーンを払いながら歩いていくシーン。
歌いながら踊りながら心を通わせていくのって、ミュージカルの醍醐味ですよね…黄色のドレスで夜景をバックに踊るのがたまらない。
それがまた空が真っ黒な夜じゃなくて、黄昏時ってのがいいんですよ!紺色とピンクのグラデーションの下に明かりが
片方が当初の憧れに添わない形で成功し、片方は変わらない目標で惨敗し、その温度差を一旦は繕うもののすぐに破綻するあたり、リアルです。
温度差があるとうまくいかないよなー。
二人がやり直せたのは、ミアも上手く行き始めてから…っていうのがなんかね…
とか思ってたら!最後!
売れっ子女優になったのはうんうんって見てたんですが、旦那!!!誰!!!
そうか…そうだよね…一緒に成功を夢見た人と最後まで一緒にいられるなんて現実、そう多くないんだよね…
夢のような音楽と映像で現実を語っているのでしょうか。
そして日本版のキャッチコピーが「夢をみていた」…過去形…
ラストシーンの二人が、「あのころはこんな夢を見ていたよね」と回顧する映画だったのかもしれないです。
だから、「上手く行ったバージョン」も最後にばーっと流れるのかも。
もしかしたらこういうルートもあったかもしれないよね、と。
きっと二人ともそう思いながら、あの演奏をして(聞いて)いたのかも。
トレイラーも公式HPの画像も、現実と「上手く行ったバージョン」が入り混じっててすごいずるい。
夢ばかり見ていられないけど、今よりも上手く行っていなかったけど、あの頃はよかったと思うことも必要だよね、って感じました。
企画当初はエマ・ワトソン主演で進んでいたようですが、エマ・ストーンになって盛会じゃないかと思います。
ワトソンだと全てクレバーかつドライに進めそうで、もがく感じがイメージできない。
林檎様の応援コメントが好き。
「よくばりなわたしたちの人生には必要なものばかり。どれを失ってもこまるのにだれも約束してくれない。いちばんたいせつなひとと一緒に観るべき映画です。」
そうだれも約束なんてしてくれないから、希望を持っちゃうんですよね…
日経スタイルの監督インタビューも、ここが好き。
「 本作に影響を与えたとされる『シェルブールの雨傘』で若き恋人たちを引き裂いたのは、戦争という運命だった。だが『ラ・ラ・ランド』では、恋人たちの運命を決めるのは自分自身だ。今の時代を生きる誰もが抱える「自分探し」の物語なのだ。それに対してチャゼル監督は、「究極のテーマは、夢を追いかけるということだよ。星に向かって手を伸ばし続けるのは、それ自体が美しいことなんだ」と答えている。」
出典:『ラ・ラ・ランド』監督が語る 共感を呼ぶ3つの理由 : NIKKEI STYLE
監督32歳ってまじか…
ちょっと心に刺さることもあったけれど、もう1回見たいと思う映画でした。
DVDも多分買うけど、これは映画館で見たほうが絶対いい映画。