ほんとのところは、丁寧に語らなくてはいけない。
僕には音楽の才能なんかない。
音感もリズム感も乏しいし、美声を持ってる訳でもないし、楽器も上手くない。
少しずつ思うようなことができるようになってきた今でも、その感覚はそんなに変わっていない。
そんな感覚を抱いたまま、「Theムッシュビ♂ト」というふざけたような名前で活動してきたこの10年、僕がやってきたことは、ただひたすらに自分の心を掘ることだけだ。
心を掘る。
その為の歌詞、
その為のメロディ、
その為の編曲、
その為のサウンドプロダクション、
その為のアートワーク、
その為の宣伝戦略、
その為の歌声。
全てただそれだけの為である。
ただそれだけなんだけど、ずっとやってきたことで、沢山の仲間や共同作業者、応援して頂いてる皆様に出会えて、ずっと支えて貰えた。
「ポップ職人」と言って頂いたこともある。
でも、僕は職人なんて到底言えない。
もっと我儘で、やりたい放題だ。ムラもあるし。
今回リリースするコンパクトディスクアルバム「キラーチューンズ」収録曲の中で最も古い曲は2011年の夏に書いたものだ。
それから色々なことがあった。
人を好きになって、大切なものが沢山できた。
大切なものを沢山失った。
人を裏切ったり傷付けたりもした。
それでも、大切なものが沢山残った。
僕はそれらの経験全てを愛おしく思っている。
そしてそれを反映した僕の音楽もひたすらに愛おしい。
そんな大事な僕の音楽が明後日リリースされる。
ただ、それはこれまでのフリーリリースではなく、皆様が身銭を切って手にして頂く「リリース」である。
決して安くない1,800円(定価)というお金を支払って手にして頂いて、その分何かを感じて頂けるくらい、自分の心を掘りまくった。
この先まだまだいける。
でもまずはこれを手にして欲しい。
そして、「僕をもっと面白がってくれ」と、思っています。
Theムッシュビ♂ト「キラーチューンズ」は明後日27日、東京流通センター「M3」で封切りです。