思春期.1 【お母さん】 | 舞踊家 菊地尚子のブログ

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つれづれつらつら。

兄達が中学生になり、私はまだ小学生でしたが中学の大変さは兄達を通じて感じておりました。

2番目の兄は小学生の頃は近所でもガキ大将でみんなをまとめて活発に遊ぶタイプで、
幼稚園時代からサッカー小僧でかなりの情熱をもってサッカーを習い続けていました。

そんな兄が中学の部活でサッカー部に入った途端、
どうも顧問の先生と上手くいっていない様で、日に日に沈んだ雰囲気になっていました。

いわゆるやくざの様な昔の体育の先生だったのです。
(学校でも黒いサングラスをして竹刀を持っているような。。。)

夏が終わった頃でしょうか。兄はサッカー部を辞めました。
1年生の時だったか、2年生のときだったかは覚えていません。

私自身「兄がサッカーを辞める」というのもショックであり、
でもきっとものすごく辛いんだろうな~と子供心ながらに思っていました。

その後あまり勉強の好きではない兄は、
放課後を持て余すのもどうかということで塾に入る事になりました。

その3ヶ月後ぐらいの真冬の頃。
塾から電話があり、「近頃全く来ていませんが、どうされましたか?」との連絡でした。

兄は普通に塾の始まる時間に出て行き、終わる時間に帰って来ていたので、
母は本当にビックリし、兄が帰ってくるなり詰問しました。

どうしても塾に行きたくなかった。
近くの大きな公園でただただ時間が過ぎるのを待った。

とのことでした。

母は最初こそ激情して怒っておりましたが、そのうち家を飛び出し
真冬の夜の寒い中、庭のホースから水を出し、頭から浴び始めました。

そんな母を見て、兄も庭に飛び出し、一緒に頭から水を浴び始めました。

「行きたくないのに、行きたくないと正直に言わせてあげられなかった自分が悪い」
と、母は言っていました。

本当は兄はサッカーが大好きで、サッカーをやり続けたかったであろうのに、
なかば挫折の様に辞め、そして好きでもない勉強のために塾に入った。
毎回塾行くふりをして、夜の公園で一人時間をつぶしていたのかと想像すると、本当に辛い。
それらの気持ちをちゃんとくんであげれなかった自分が悪いと、母は泣いておりました。

その後兄は気持ちを入れ替え、塾には行っていた様です。

そんな兄と母のやり取りを見ていたはずなのに、
そののち私が思春期に入るとまったく兄と同じ道を辿ってしまい、
母を大変傷つけることとなります。
長いので、またそれは後日。