初夏です。
12月頭、母は末期ガンの告知を受けました。年を越せるかどうかというお話でした。
明日から6月です。ここのところ、採血の結果からみて、抵抗力の数値がかなり悪く、点滴での治療が出来ずにいました。停滞する時期に入り、体調的には良好なのにと気持ちが焦る日々が続きました。
母はまだ生きています。二言目には「あなたが35までに子供を産むのを待っている」と笑顔で語ります。それを見届けるまでは死ねないと。
家庭環境や持病の状態を見れば、いま子供を授かる余裕はありません。それでも、母が望むすべての願いに可能ならば答えるために、私は生かされています。
だから、自分を殺すことだって簡単なんです。
もうすぐ33歳になります。バツイチ。母が私を産んだ年齢はこえています。歯がゆさや焦燥感より、平たくて冷たい悲しみのようなものに包まれて、今日も母の通院の付き添いです。