鳥は飛んでゆく、か。ふむ、それが進化のさきの当然のこととして認識されているわけだな、この星は……。
しかし、すべての鳥類が大空を滑空するわけではないだろう、僕たちのように空に向かわない進化を遂げた鳥類もいるはずだ。
この星は……サルから進化した生命が我が物顔に闊歩しているという。いまだ星間航行さえ成し遂げられない、低知能の生命らしい。
この星の……我らの祖先はどのような進化を遂げたのだろうか。まずはそのあたりの調査から始めてみよう。
空を眺め、ブツブツとつぶやく謎の生命がいた、その姿はヒトのそれとはあきらかに違う。彼は鳥類へのシンパシーを持っているようだが、とくに鳥類から進化したようにも見えない。
その姿は……くちばしのついた大型のタマゴにしか見えない。
出来損ないのぬいぐるみのような外見に反し、妙に理屈っぽいそのイキモノは短い足をぺたぺたと鳴らし、東へ東へ歩いてゆく。
彼はペンギン星から長い星間航行を経て地球にやってきた宇宙人である。目的は分からない。口ぶりは挑発的だが好戦的にも見えない。
そして、こんな物語に続きがあるのかどうか、それすらも分からない。
<つづく……かなぁ?>
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⇒ファイア・スターター
⇒“candy”
⇒“light”
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