甘くほろ苦いこの味はあの人に似ている。普段は決して見せず、誰にでも厳しかったあの人。自分に... 甘くほろ苦いこの味はあの人に似ている。普段は決して見せず、誰にでも厳しかったあの人。自分にも厳しく、決して涙を見せなかった。誰にでも厳しいあの人は、周りには嫌われていた。あの人はそんなことももろともせず、常に厳しく毅然としていた。あの人を責める人々は、一体あの人をなんだと思っていたのだろうか? あの人だって同じ人間だ。傷つかないわけがない。だけどあの人は誰にも、私にさえ涙を見せなかった。あの人は最後まで厳しい人だった。誰が追い詰めたのか、誰なら彼を助けられたのか? 私でありたかった。だけど、あの人は最後まで私を頼りはしなかった。恐怖を前にした最後も、覚悟を決めた最後も...。あの人はどんな気持ちだったのだろうか? 私なんかが想像したところで、意味はない。そうだ。私とあの人の恐怖は違う。そして私とあの人の覚悟も...。私だけのあの人。私は本当の意味であの人だけの私になる。 #小説創作 #インスタ小説 #即興小説 #小説好き #ゴートゥーホーム 凪@小説オンラインスクール代表さん(@novelist_nagi)が投稿した写真 - 2017 Jan 31 12:21am PST