高須院長と大村知事リコール、あいちトリエンナーレ2019 | ある脳外科医のぼやき

ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」

今回、イエス高須クリニックのテレビCMでお馴染みの高須先生が、

愛知県知事をリコールするというニュースに驚いたので、一筆書かせていただきます。

 

高須先生との面識は当然ございません。

私と高須先生の共通点は医師という職業と、日本や日本人が好きだということでしょう。

 

高須先生は美容クリニック以外にも地域住民のための総合病院の運営もされており、

一介の勤務医である私からすれば雲の上、といった感じです。

 

その先生が何故、

私財を投じて愛知県の大村知事のリコールに踏み切ったのかということに興味を持ちました。

都道府県知事のリコールは史上初ですから、これは大変なことです。

 

あいちトリエンナーレ2019、「表現の不自由展」と言えば、

昨年私も民放のニュースで何度か目にしています。

当時、報道されたのは「慰安婦像を展示し批判が集まった」という内容でした。

愛知県知事である大村知事が総責任者で、メディアで見かける津田大介氏が中心となり、公金で行われた展示会です。

 

高須先生がリコールに踏み切った理由を読んでいて、今回まず驚いたのは、

「昭和天皇の写真を燃やし、灰になったものを踏みにじる映像作品」

「若くして特攻隊として出撃し命を落とした若者を”間抜けな日本人”とした造形作品」

が展示されていたことです。

 

これら2点の展示については昨年のテレビニュースではどこも放映していませんでした。

放映したらマズいという配慮か、主催者側からの影響があったのかはわかりません。

私の家族も、職場の仲間も、誰もこのような出展があったことは知りませんでした。

 

私は戦後日本生まれの日本人で、特に右も左もありませんが、

これらの作品の存在を知って、やはり嫌な気持ちがしました。

いい気持ちはしません。

 

あえて理由は述べるまでもないですが、なぜかを考えてみました。

まず昭和天皇の写真を燃やし踏みにじった作品についてです。

 

これを見て初めに脳裏に浮かんだのは、中国や韓国で時折行われる強烈な反日デモです。

日本国旗を燃やし、首相を模した人形の首を斬り燃やす、

そういったおぞましいデモをニュースで見たときと同じ印象を持ちました。

 

↓の高須先生のサイトから私はこの作品を見ました。Youtubeでも拡散されています。

大村知事リコールの高須先生のサイト

 

アメリカではBurn the flagと言うようですが、

ISやアルカイダが星条旗を燃やすことと同様のメッセージ性があります。

 

現代を生きる日本人にとっても、天皇陛下のことを知らない人はいません。

そして、天皇陛下は憲法で日本国の象徴と記されており、多くの日本人がそのことを知っています。

昭和天皇の戦争責任と言う方がいらっしゃるでしょうが、昭和天皇が戦争を起こした訳でもなく、戦争を望んだ訳でもないことは、史実から明らかです。

 

この作品はその日本国の象徴を燃やすということですから、そのことを冷静に考えれば意図が伝わってきます。

つまりは日本を、日本人を燃やして踏みにじってやる、という強烈な反日メッセージのある作品です。

 

戦争そのものを憎むのではなく、日本人という特定の民族をヘイトしていると感じるものと思いました。

右も左も関係なく、日本人であれば大なり小なりの嫌悪感を抱く作品ではないでしょうか。

 

次に特攻隊で出撃した若者を「間抜けな日本人」と称した作品ですが、

私はこれにはより強い嫌悪感を抱きました。

 

自国民そして他国民に大きな犠牲を強いた戦争に突き進んだ日本人を愚かと言うなら分かります。

また、本来であれば日本の未来を担うはずの若者に特攻作戦を命じた軍人達を愚かと言うのなら分かります。

彼らはどうしようもないほどに愚かで、間抜けだったと思います。

 

しかし、特攻に出た若者は国を守るため、自分の家族を守るためと信じて、

前途ある未来を無謀な作戦に捧げざるをえなかった人たちです。

 

軍神だと祀り上げるべきではありませんが、

その過酷な境遇には哀れみと、そして彼らの同胞を守る強い想いに対して、

子孫である我々は敬意を払うべきと私は思います。

 

それを「間抜けな日本人」と愚弄するのはいかがなものでしょうか。

アート、芸術だと言われても嫌悪感しかないのが正直なところです。

 

表現の自由が守られるべきという論調、

アートとしてこれらの作品に意味があるという論調が何故か目立ちます。

 

しかし、こういった特定の政治色、つまりは日本そのものをヘイトするような作品展に、

私たちの税金が億単位で投じて行われたことを、私は納得できません。

 

更にリコール経緯を調べていて驚いたのは、

公金で行うこの展示会を申請する際の資料に、これらの問題の作品がリストに含まれていなかったということです。

 

公金が下りてから、実際の展示会でリストに含まれていなかった問題作品を後付けで追加したというのですから、

これには主催者側の意図を感じざるをえません。

どうしても日本人の税金からの公金で、公な形でこの作品を展示したという実績を作りたかったのでしょう。

政治プロパガンダ、印象操作の感がぬぐえません。

 

これらの悪質な経緯を考えると、

私は高須先生がリコールに踏み切った理由に納得がいきました。

 

私は愛知県民ではありませんが、高須先生のリコールを支持しますし、

大手メディアが報じないこの展示会の事実が多くの良識ある日本人に広まればよいと思います。